【人気講師インタビュー】私のゼロイチとターイングポイント
「こんな研修やりませんか」から「何にお困りですか?」に
エルブレーントラスト株式会社 代表取締役 森本尚樹さん
マーケティングインストラクター/ グランドマスター
ーどのような企画で講演研修をされているのですか?
講演であればマーケティングの基礎的な部分です。大学で教えるようなマーケティングではなく、企業の現場で使える「実践マーケティング」を90分位にまとめてお話しています。もうひとつの柱が研修のディレクションです。講師としてはもちろん研修全体のプログラムを提供しています。
本を出したら講演依頼があると思っていた…
ー講師をしたい人はたくさんいますが、皆さん一件目の依頼に苦労します。森本さんは最初の依頼はどのように得たのですか?
当時、本を出せば講演依頼が来ると思っていましたが、『マーケティングは他社の強みを捨てることから始まる』を出版後もプロとして有償で講演というのは来ませんでした。同時に大阪本社の大手講師派遣会社にも登録をしましたが仕事は一切ありませんでした。しばらくして大阪出張の際に講師派遣会社に訪問し安宅さんから営業や企画担当者を紹介していただき15分程度のミニセミナーの機会をもらいました。
それからすぐに若手の営業担当者から九州の経済団体の講演企画の依頼が来て、いきなり120人くらいのオーディエンスの前でのデューとなりました。
「ゼロイチ(0:1)」では全然違います。
ーその後、依頼が増えていくときにターニングポイントはありましたか?
講師派遣会社に訪問したときに「登録しただけではどのような講師か十分に把握できないのですぐには紹介しにくい」という意見を伺いました。結果的に今回の訪問でのミニセミナーと九州で実施した評価などが横のつながりで社内で広がったのでしょう。やはりゼロイチ(0:1)では全然違いその実績が信頼となりHPからも毎月2本くらいの依頼が入るようになりました。当時は仕事が続けば続くほど多くなっていくイメージでした。
ーご専門のマーケティングの観点から「講師のマーケティング」についてどのようなオプションがあると思いますか?
クライアントの立場から考えれば、差別的な思想を持っていたり暴言、失言をする講師ではという不安要素もあるでしょう。その不安の解消に「実績」と「お客様の声」が有効です。増えていく実績に加えてカスタマレビューを大量に公開したことが信頼につながりました。
また話し方とか雰囲気を伝えるのに資料や写真だけでは限界がありますので動画も準備しておくといいでしょう。
まとめると「実績」「カスタマーレビュー」「動画」が効果的だと思います。
「頼みやすい人」になっておく
ー依頼が続く講師になるために必要なことを教えてください。
「頼みやすい人」になっておくことです。企画段階での相談も含めてとにかくクイックレスポンスを心掛けています。メールが来たらすぐ返すとかです。主催者は経済団体や生産性本部などが中心で無理難題をおっしゃることはほぼありませんのでご要望に対してはほぼ了解しています。
そのような対応をすることで何か企画を立てたときに「頼みやすい森本さんに相談しよう」となるのではないかと思います。
また主催者のニーズとコンテンツが合っていることが重要です。HPやブログに既存テーマを掲載していて、それを見た主催者からの問い合わせで断られるケースはほとんどない状況です。それは主催者が求めるマーケティングに対してのニーズと、僕が提供している「実践マーケティング」が一致しているのだと思います。
ー最後にこれから講師デビューを目指す方にアドバイスをお願いします。
講師デビューをして15年となりますが、最初の5年間は講師派遣会社にお世話になり、次の5年は経済団体から直接依頼を受けて、その後の5年は企業研修を積極的に獲得するようにしてきました。企業研修になると単発でなく毎月1、2回で年12回や24回とか一泊二日の合宿研修だったり大型の案件になっていきました。このような企画の場合「こんな研修やりませんか」「これができますよ」ではなく「何にお困りですか?」「研修おこなうことで社員にどう変わってもらいたいですか」からはじめることが大型の案件を獲得するための鉄則です。
つまり自分の成長フェーズに合わせて顧客や提供価値を変えていかなくてはいけないのです。
森本尚樹さんへの講演・研修の相談は下記より
エルブレーントラスト株式会社 代表取締役 森本尚樹
大学で心理学等を学んだ後に東京都内の医療機関に勤務。その後、社員数わずか数十名の中小企業に転職。約二十年間で同社が東証一部上場を果たすまでの、ほとんどすべてのマーケティング戦略に関与。予算なし、権限なし、専任なし、人材なし、期待なしで結成された社員五名のプロジェクトから累計で百億円を超える商品群を創出することに成功。常に十以上のプロジェクトを統括し、同社が東証一部上場を果たす原動力となる製品群を創出した。同社の戦略マーケティング統括部長を経て、同社を円満退職後、エルブレーントラスト株式会社を設立。代表取締役に就任。以降、独自のマーケティング戦略を武器に、ほとんどすべてのクライアントで成果を出し続けている。さまざまな取り組みは読売新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイなどの大手マスコミにたびたび取り上げられる。全国の商工会議所や生産性本部、国立大学法人などでの講演活動を精力的に行う。現在はマーケティングスタッフの育成や、新規事業の創出コンサルティングなどにも力を入れている。