インストラクショナルデザインの入口

こんな方にお勧めの記事です。
企業研修の打合せで先方の言葉の意味が解らなかった…
アカデミックな研修スキルを兼ね備えたい…
教育学のバックボーンを持ちたい…

「インストラクショナルデザイン(ID)」とは端的に言えば「効果的な学習設計法」です。
Wikipediaでは「より良い学習の環境を総合的にデザイン」と記述があります。
長く講演、研修業界に携わってきましたが、IDを活用して学習設計しているという講師はあまり多くありませんでした。逆に勘と度胸でのし上がってきた講演家はアカデミックなフレームを否定していました。

しかし、企業の人事部の方にはIDをベースに講師と打合せする方もいます。そのような時に「なんですかそれ?」とは言えません。少なくても基本的な部分だけは認知しておきましょう。

この記事では代表的な項目を紹介しますが、深くは掘り下げません。興味を持たれた方は書籍等で学習下さい。

インストラクショナルデザイン(ID)を知る目的と期待する成果

目的

研修の効果を高め受講者の行動変容を促す

期待する成果

  • 教育設計理論と独自メソッドを合体、強化する
  • 自身のプログラム、コンテンツを裏打ちする理論を構築する
  • 人材育成の専門家である人材開発部門と理論で共有できる

インストラクショナルデザイン(ID)の第一原理

「IDって学校教育のフレームでしょ」という意見を受けることがあります。
しかし人間が成長するプロセスにおいては共通しています。以下の「IDの第一原理」を一部表現を仕事に置き換えるとそのまま使える考えということがご理解いただけると考えます。(例:「日々の生活」⇒「日々の仕事」)

例示の原理 学習は、学習者が例示されたものを観察したときに促進される。
応用の原理 学習は、学習者が新しい知識を応用する際に促進される。
課題中心の原理 学習は、学習者が課題中心の教授方略に取り組んだ際に促進される。
活性化の原理 学習は、学習者が事前に学んだ関連知識や経験を呼び起こすときに促進される。
統合の原理 学習は、学習者が新しく学んだ知識を日々の生活に統合する際に促進される。
      引用 『インストラクショナルデザインの理論とモデル』
     C.M.ライゲル−ス、A.Aカー=シェルマン ,etc.

ADDIEモデル

本サイトを読んでいただいている方は独立講師か講師を目指す人と想定しておりますが、企業サイドが人材開発をいかに設計しているかを理解されることは重要です。
「ADDIEモデル」は人材開発に携わる部門の方が意識しているフレームです。

【A】 Analysis 分析 対象者の現状と課題を把握する
【D】 Design 設計 対象者の課題に適したコンテンツをまとめる
【D】 Development 開発 設計されたコンテンツを効果的なプログラムにしてテキスト、投影データなどを制作する
【I】 Implementation 実施 対象者にゴール設定を共有したうえで設計開発に基づき実施する
【E】 Evaluation 評価 対象者の行動変容の結果、プログラム自体の評価をおこなう
<r> revise 改訂 評価の結果を踏まえてプログラム、テキストなどに修正をおこなう

この一連のプロセスを回すことによって、プログラムはブラッシュアップされより効果的な学習設計となる。

カークパトリックの四段階評価

研修の打合せの際、クライアントは課題を列挙して大きなゴール設定をしがちです。
その時、間違っても「了解しました」と気軽に答えてはいけません。ゴール設定と現状にはどのくらいの差異があるのか、研修の時間枠はどれだけなのか?等々を確認したうえで「今回のゴール」を決めましょう。
その際のフレームとして「カークパトリックの四段階評価」を活用しましょう。

level4業績業績に貢献した
level3行動行動に移した、変わった
level2学習知識を得た
level1反応研修内容への満足

本来、研修成果を評価するものではありますが、研修のゴール設定に活用できます。

ガニエの九教授事象



学習心理学者のロバート・M・ガニェが提唱した学習支援モデルで、教材や研修を設計する際に受講者を引きつける仕組みを表しています。
IDを知らずとも研修講師であれば自然とやっているフローかもしれません。

1受講者の注意を獲得する
2研修の目的を共有
3前提条件を思い出させる
4新しい事項を提示する
5学習の指針を与える
6練習の機会を与える
7フィードバックを与える
8学習成果を評価する
9保持と移転を高める

まとめ

✅インストラクショナルデザイン(ID)のスキルを持とう
✅独自メソッドを教育学で裏打ちし強化しよう
✅講演講師が研修に広げるなら理論武装しよう

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