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講師で独立するならマルチチャネル戦略
このような方にお勧めの記事です。

近年、講師で起業したいという方が増えています。
その一方で、現役講師は新型ウイルスのきつい打撃を受けています。
そして業界全体の構図も大きな変化のプロセスにあります。
このタイミングでの講師起業はどうなんでしょうか?
私は何度となくこの質問を受けていますが、明確な回答は存在しません。
言い逃れているわけではなく、本人がどう捉えているかに起因するのです。
感染予防対策でオンライン化が進んだ時にいち早く対応し強みに変えた講師は仕事を伸ばしました。一方で一過性のものと捉えてオンラインに無頓着だった講師は仕事を減少させました。実際、感染予防対策が解かれたとしても、オンライン研修は減ることなく増えていくでしょう。
また、この期間のテレワークや、今後増えるであろう週休三日制などによって可処分時間は増える一方です。並行して人生100年時代にむけて “学びなおし”意識の向上しています。 それに伴いオンライン学習のポータルサイトも加速的に浸透しています。
つまり、これまで企業研修など「BtoB」しか想定していなかった方も「BtoC」も視野に入れると市場は拡大すると考えられるのです。
それらから、講師ビジネスを多様な視点で見て事業計画を立てる人にとってはチャンスかもしれませんし、リアルの集合研修だけをメニューにする講師にとってはピンチかもしれません。もちろん他にも多様な見方があります。要はこのタイミングをどう捉えるかです。
これから講師業界に参入したいと考える方は、多様化する講師ビジネスを俯瞰したうえで、マルチチャネルの事業計画書を創り上げることをお勧めします。
多くの講師が「来た依頼を全力で臨む」という曖昧な計画ですので、しっかり戦略を立てて参入することで一歩先を行くことが出来るでしょう。
研修講師になる事業計画を設計する目的
目的
堅実なキックオフとスタートダッシュを両輪で考える
期待する成果
- 計画的に講師業の展開ができる
- 想定外の事態にもブレない軸ができる
- 中長期的な視点で活動ができる
講師業の多様なビジネス展開
講演・研修オンリーで十分ビジネスが成り立つ講師もいますが、よほど売れっ子にならない限り、難しいのが現実です。ビジネスプランの構築では、収益チャネルの複数化を視野に入れましょう。
「講演」オンリーでいくなら常に新規開発が必須
かつて講演市場は大きく予算も潤沢な時代がありましたが、近年は講演オンリーでビジネスが成り立つのは、著名講師やビジネスタレントのみになってきました。ひとつのテーマ、コンテンツだけで勝負するのであれば同一顧客からのリピートが少ないので、常に新規依頼を獲得するマーケティング戦略が必要です。
講演と研修のすみわけも曖昧になり、講演家が研修に参入し、研修講師が講演に力を入れています。いずれも講演をフロント商品として、研修等のバック商品に繋げていく戦略です。
「研修」は継続性で成果を上げる
一方、企業研修は単発では成果が出ないので、主催企業とゴール設定を決めて継続的な「アクションラーニング」に展開させていきましょう。また対象者を階層や職種に分解して研修することも提案できます。
もちろん自分視点にならず顧客のベネフィットが優先です。
また、少ない顧客で仕事を回すのは危機管理上リスクが高いので、ある程度の分散と常に新規開発が必要です。
サービスメニューを増やす
「研修の効果測定」を商品化する
研修終了後に成果検証のためのヒアリングの機会をもらうことも視野に入れましょう。人材育成部門も研修ですぐに成果が上がるとは考えていません。ですから目標とするゴールに対して現在の段階を客観的に測定して報告書にして、今後必要なプログラムを提案すると採用される可能性が高くなります。
「研修後の個人支援」をメニューに入れる
研修効果を高めるために受講者に個別指導に展開するケースもあります。効果測定のフィードバックの際に、必要に応じて「営業同行」「コーチング」の提案をしましょう。ただし個別対応なので一定の成果(当該社員の行動変容)を期待されます。
研修内製化「プロジェクト」を立案する
現在多くの企業が進めているのが「人材育成の内製化」です。つまり自社の社員は自社の社員で教育しようという風潮です。実は外部講師にとっては脅威ばかりのようですが機会でもあります。実際、教えることに慣れていない社員は混乱しますので外部知見を必要とします。そこで「研修の内製化プロジェクト」を提案してアドバイザーになるのです。
ただし、独自の話法とかではなく「インストラクショナルデザイン」など体系的な設計スキルが必要となります。
研修から「コンサルティング」に展開させる
教育研修の講師からコンサルティングに展開することもあります。人材開発の延長線の役割のケースから、経営戦略などのフェーズになる場合もあります。
コンサルティングは講師とは責任も投下時間も違いますので、気軽に受けずに責任範囲と必要時間を確認のうえ自身の知識と技術で貢献できるか熟考ください。
逆に言えば先にここまでのコンサルティングが可能とメニュー化しておくといいでしょう。
ニューノーマル時代に活躍する講師になる
「オンライン研修」で卓越した存在になる
感染予防が収束しても「オンライン研修」への対応が求められます。しかし、単にZOOMを使って講義するスタイルでは聞き手側の集中力に限界が生じます。ある意味ではリアル研修以上のファシリテーション能力が必要となります。
逆に言えばZOOM研修で卓越したスキルと技術を発揮すれば、多くの旧来型講師を逆転するチャンスとも言えます。
「オンデマンド商品」を制作販売する
自身のコンテンツを個人向けに販売することも検討しましょう。
そのためのプラットフォームも増えていますし、将来不安から個人の学習意欲も高まっています。個人向けから法人に展開し、結果的にリアルの講演研修のオファーになることも期待できるでしょう。
「 Udemy 」で自分の動画を販売しよう
Udemyは、世界4,600万人以上が学ぶC to C(Consumer to Consumer)のオンライン学習プラットフォームです。
「学びのマッチングサイト『ストアカ』」を活用する
いまとても元気があるのは「CtoC」の講座です。なかでも「ストアカ」は抜きんでている印象です。先の Udemy 動画なのに対して、ストアカはZoomなどでリアルタイムでおこないます。
「 ストアカ 」でスキルを磨こう
「商業出版」をしよう
出版して講師になった方も多いのですが、実は講師だから販促を期待されて出版できた人もたくさんいます。出版を視野に入れてタイトルをブランディングしていくといいでしょう。
研修のテキストとしてまとめて長期的な購買の期待ができれば出版企画も通りやすくなります。
「キンドル出版」しよう
「商業出版」と「キンドル出版」を対比することは意味がありません。それぞれ目的が違うと考える方がいいでしょう。
キンドル出版はマーケティング戦略です。巨大プラットフォームのamazonで未知の顧客を開発するためのアクションです。商業出版ほどのボリュームは必要ありませんが、有用なコンテンツを公開する必要があります。
肝心の部分を伏せて独自サイトへの誘導ばかりでは不評を買いますのでご注意下さい。
講師としての事業計画書を作ろう
講師ビジネスも事業計画書をつくりましょう。講師は銀行借入がなく始めるケースが多く、事業計画が曖昧になりがちです。第三者に見せるつもりで作成しましょう。

先は、私のコンサルティングで制作していく書類関係です。このような書類をいつも見れる状態にしておくことが重要です。

「講師起業」のまとめ
これから講師を目指す方は、講師の仕事を広くとらえてしっかりと戦略を立て仮説検証を繰り返しながら実行していかなくては、独占、寡占された市場で勝ち抜くことはできません。