長期的に活躍するには優れたコンテンツだけでは無理です。
30年の講演・研修業界のキャリアでは能力が高いのに消えていった講師をたくさん見てきました。一体どのようなケースがあるのでしょうか…

売れているときに「売れなくなる理由」をつくっている

「売れているときに『売れなくなる理由』をつくっている」
これは、あるタレントさんから聞いた言葉です。

急に売れたタレントがしばらくすると消えていくのは昔からよく見ますよね。
全部がそうだとは言いませんが、何割かのタレントは態度が横柄になるそうです。平たく言えば調子に乗ってしまうんです。

それを直接浴びた若手ADは
「自分がキャスティングに意見できるようになれば、あいつは絶対に使わない」と心に誓います。

実際はそんな期間を待たずに視聴者が飽きた時にはあっさり切られていきます。そして数年経ち心を入れ替えて謙虚になったころ、先の若手ADが発言権を持つようになっていて、心に誓った通り「絶対に使わない」というスパイラルに入ります…

これが冒頭の「売れているときに『売れなくなる理由』をつくっている」の意味するところでした。

講師も内容以外で仕事を減らす要因の種まきをしているケースがあります。

約束を守らない

事前準備が必要なレジュメやテキストは少なくても一週間前にはほしいものです。講師側はまだ一週間あるしと思うようですが、主催担当者には様々な段取りがあります。

よくテキストと一緒に他の資料を綴じたり、封筒に入れたりします。
つまり、予定日に届かないと他の資料と併せて準備できなくなったりします…
これって担当者からするとかなりイラッとするのです。

内容はよほど酷くなければクレームになりませんが、このような段取りを狂わせる事案は苦情になりがちです。
受講者にウケて責任者からも評価されたのに、なぜかリピートが来ないという案件があれば、何らかの形で担当者に不満を持たせているのかもしれません。

とにかく約束した期日は小さなことでも必ず守るようにしましょう。

控室での態度が悪い

ある講師は、会場到着時に若手の担当者が挨拶に行ったら顔も見ずに無下に扱いその後で責任者が来た際に満面の笑みで対応していました。

これは先ほどの『売れなくなる理由』づくりのひとつで、ありがちなことです。

控室に女性がお茶を持ってきてくれたのにお礼も言わない…
若手とは名刺交換もしない…
控室を散らかしたまま帰った…

実はこの姿勢や態度はすぐに伝わります。
若手担当者やお茶出しをしてくれた女性から上司に報告がいきます。
もちろんエージェントの耳にも入ります。

そんなことで……と思う人は要注意です。
控室での態度は評価の一部になることもあるのです。

休憩時にタバコ

研修中のトイレ休憩のさいにタバコを吸いに行く講師がいました。
その会場では全館禁煙なので、わずか10分の休憩時間に外まで行きました。

休憩時間に決まった喫煙場所で吸ったのに何がいけないのかと思うかもしれませんが、印象はよくなかったです。

トイレ休憩時に主催者側が事務連絡をしたかったができなかった…
受講者が個別に質問したかったができなかった…
休憩時間のたびに会場を飛び出していく姿が受講者の記憶に残った…
後半には困った主催者が特別に控室での喫煙を許した…

このような姿勢は研修内容以前に受講者の学習意欲を減退させました。
特に「コミュニケーション」などのマインド的なコンテンツのときに言動が一致せずシラケた雰囲気になりました。

もちろんタバコが悪いわけでも、講師は休憩したらいけないというわけではありません。実際、約束した時間は責任を果たし、コンテンツも作りこんでくれていました。

しかし、結果として主催担当者から「この講師は二度と呼ばない」とエージェントの私は言われました…

「プロ講師として長期的に活躍するために」のまとめ

これら話を違和感を感じる講師もいるでしょう。過去の書籍にもこの手のことを書いて「プロの講師だから与えられた時間で最大のパフォーマンスを発揮すればいいんじゃないですか!」と言われたこともあります。

しかし、結果的に仕事を減らしているのですから、講師はステージ上だけでなくトータルで評価されるということです。

この記事では3つの事例を紹介しましたが、実はこの手の事例はいくらでもあります。冒頭での「売れているときに『売れなくなる理由』をつくっている」は深い言葉です。

高いキャリアも優れたスキルも態度がすべて否定する
優先順位は顧客視点で考える
研修での休憩時間の態度がプラスにもマイナスにも働く