講演・研修で直球がダメなら「比喩」で刺す

かつて「道経塾」という雑誌で1年間「生きものがたり」というコラムを連載をしておりました。
すっかり忘れていましたが、その時の原稿が見つかりましたので紹介させていただきます。

講演・研修では直球だけでは刺さらないことがあります。
そのような時にこのような比喩を用いることは効果的です。

 PDF版

よろしければプリントしてお手すきの時に読んでください。

61号『道経塾』「生きものがたり」

 原稿版

餌をあきらめたカマス

「カマスの固定観念」の話をご存じでしょうか。
 カマスを水槽に入れて、中央に透明なガラスの仕切りを入れます。
そして、仕切りの反対側に餌となる小魚を入れると、カマスは仕切りが見えずに頭から何度もぶつかります。
「痛っ!」「グェ!」と繰り返しているうちにカマスは学習します。「ここから先は絶対に行けない」「ここを越えようとすると痛い目に遭う」と。

 その後、ガラスを取り除いても、カマスはガラスの壁があった先には行きません。
 いくら飢えて苦しくても、ガラスがあった先には絶対に行けないと決めつけているのです。

 なんてカマスはバカなのだろう……と思いますか? 
 それでは伺いますが、御社ではこのような言葉を聞いたことはありませんか?
 「前に三か月かけ開発に挑戦しましたが無理でした」
 「あの会社には訪問してもどうせ断られます」
 「私たちの業界では、ここまでしかやってはいけない決まりです」

 一般社員に限らず、幹部や中間管理職の人間までこのように発言していたら、組織が硬直化している兆しです。
 今、社会は大きく変化しています。一年前に非常識だったことが今では常識になっていることもたくさんあります。顧客もニーズも常に変わるのです。
 さらに言えば、業界の常識なんてものは自らつくった思い込みということもあり得ます。

 イノベーションも大切ですが、過去にうまくいかなかったこと、時期尚早と見送ったことへの再挑戦も忘れてはいけません。常に状況は変化しているのです。

 実は、先ほどのカマスをガラスがあった先に行かせることは簡単です。
 それはガラスがあったことを知らない、新しいカマスを水槽に入れるのです。すると、新しいカマスは、水槽の反対にある餌に一直線に向かいます。その姿を見た、元からいるカマスは「なんだ、行けるのか……」と気づき「よーし、俺たちも行くぞ!」と行動を起こします。

 どうしても長い間、同じ会社にいると、業界の常識、自社の限界というのを無意識に決めつけてしまうもの。
 先ほどのカマスと同じように、もうなくなっているガラスを見ているのです。
 だからこそ、定期的に新しいカマス(人材)を投入して自社の常識を疑うことが必要です。

 しかし、こんな時代に人材を採用することは難しいかもしれません。
 それなら、あなた自ら〝新しいカマス〟になると決意しましょう。
 「常識的に不可能」「過去に無理だったから、やっても無駄」という意見が出たときはチャンスです。
 「やったー!  あるかないか分からないガラスの壁を見つけたぞ!」と考え、自ら突っ込んではいかがでしょう。  

 ガラスが残っていて、また頭をぶつけたっていいじゃないですか。
 痛みを恐れて行動を起こさなければ、何も生まれないのですから。

 これからは「無理」というフレーズを言ったり聞いたりしたら、「カマス」を思い出してください。

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