ライバルと異なる強みを持つ

今回もかつて連載していたコラムを紹介させていただきます。
このコラムは拙著「プロ講師が使っている朝礼・スピーチの『つかみ』話材」を大幅に加筆して書下ろし寄稿です。「自然が教えてくれる仕事と人生で大切なこと」として自身に置き換えたり、講演・研修・セミナーでの『つかみ』に使っていただいても結構です。

 PDF版

62号『道経塾』「生きものがたり」

 原稿版

走りのヒョウと蹴りのシマウマ

ヒョウは単独で狩りをする動物です。
独特の体色は景色と同化して獲物に見つかりにくく、足の裏の肉球は忍び寄るときに音を立てないという強みを持っています。
 一方、シマウマは群れて身を守る動物です。集団でいることで景色としま模様を同化させて、肉食動物の目をくらましています。また、シマウマのひづめは、いざというときに強力な後ろ蹴りを繰り出し、肉食動物さえ倒すたくましさを持っています。
 ヒョウの肉球は高速で走れる武器でもありますが、長距離を走るのに向かない。反対に、シマウマのひづめは速くは走れませんが、長距離を走ることができる。自然界では、狙うものと、逃げるものでうまくバランスが取れています。
 ビジネスでも、必ずライバルが存在するはずです。
 ついつい、ライバルに負けないように、相手の強みを研究して取り入れたり、自社の弱点を改善しようと考えますが、それではライバルに勝つことは難しいし、消耗戦になってしまいます。ヒョウがシマウマのひづめと戦うために肉球を硬く鍛えては本末転倒ですし、シマウマがヒョウに対抗して早く走る練習をしても無駄です。ライバルに負けてもよいところを見定めることが自分の強みを伸ばすための重要な一歩です。
 自社を俯瞰的に見てみましょう。競合相手があなたの会社に対して恐れている分野があるはずです。
 想像してください。あなたはライバル社の経営者として、経営資源を有効に活用しながら競争に勝つための戦略を立てています。さて、ライバル会社はあなたの会社に何をされたらいちばん嫌でしょう。
 いかがでしょうか? あなたは相手にとって楽な戦略をとっているなんてことはありませんか?

 シマウマはヒョウがさらに速くなるのが怖いのです。ヒョウは長距離戦に持ち込まれるのが嫌なのです。ライバル社はあなたの会社が何を伸ばすことを恐れているのでしょうか?
 相手が嫌がることがわかれば、ライバルの強みの土俵はあえて捨てて、自社独自の卓越性を強化していきましょう。
 仮にあなたの会社がシマウマならば、短距離勝負に役立つ瞬発力を鍛えることは捨てて、ひづめをフル活用しての後ろ蹴りを強化するのです。
 つまり、やらないことを決める意思決定が、選択と集中をより強固なものにするのです。他社の強みに価値を求める人は離れてしまうかもしれませんが、自社の選択した領域がオンリーワンであれば、もう価格競争がなくなります。後は自社を愛してくれるお客様だけにとことん奉仕していけばいいのです。

自社の最大の強みはなんなのかを知るいちばん効果的な方法が、お客様に自社の何に価値を感じているかを聴いてみることです。意外にも自分で考えているものと違う価値を買ってもらっていることもあります。そのようなとらえ違いを見つけることが〝あるべき姿〟への近道です。

ヒョウとシマウマの相反するが、微妙にバランスが取れている特性を見ると、ライバルと違う強みを伸ばしていくことの大切さを学べます。 さあ、強みを伸ばして独自の卓越性に磨きをかけましょう。

関連記事

  1. プロ講師の「つかみ」話材(自然界編2)

  2. セミの脱皮を手伝ってはいけない

  3. 講演・研修のプロ講師のトークはクセがすごい

  4. 変化に対してリスクをとって挑戦する

  5. プロ講師の「つかみ」話材(自然界編)

  6. 講演・研修で直球がダメなら「比喩」で刺す

  7. 渡り鳥に学ぶリーダーシップ

  8. 自分の「黒歴史」からコンテンツをつくる

無料メールセミナーPV *音が出ます

プロモーション動画編集

これから開催されるセミナー

オンラインコンサルティング