なぜあえてリスクを取るのか

今回もかつて連載していたコラムを紹介させていただきます。
このコラムは拙著「プロ講師が使っている朝礼・スピーチの『つかみ』話材」を大幅に加筆して書下ろし寄稿です。

今回は「リスクを取ることが結果的に強みになる」ことを自然界のエピソードとリンクさせた話です。

 PDF版

66号『道経塾』「生きものがたり」

 原稿版

リスクに挑むザリガニの話

ニワトリはかつて、今よりも飛ぶ能力に長けていたそうです。

しかし、人間に飼われて餌を与えられた上、安全も守られるようになったことで飛べなくなったといわれています。つまり、生きるために自ら餌を捕ることや、外敵から身を守ることの必要がなくなり、飛ぶ理由がなくなったのです。

しかし、鳥にとって飛ぶことは、自らの能力の中で最高のものであるはずです。ニワトリはその最高の強みを、安全・安定と引き換えてしまったのではないでしょうか。

われわれも、本能的に安定を理想としがちです。しかし、安定を求める組織ほど変化に弱く、結果的に安定できていないのが現実です。

挑戦しなくなった企業は衰退していき、気づいた時には、コア・コンピタンス(核となる能力)さえも失っていたなんてことになりかねません。

リスクを取らないと、時代のニーズに鈍感となり能力が落ちてしまうのです。

自然界の中で、自己の存続・発展のため果敢にリスクに挑み続ける生物にザリガニがいます。ザリガニは年に二回、冬を越す前と越した後に脱皮します。脱皮には大きな痛みがあり、その最中には敵や仲間であるザリガニに襲われるリスクもあります。無事に脱皮できても、しばらくは皮が固まらず、非常に弱い状況になっています。

なぜ、そんなリスクを取って脱皮を繰り返すのでしょうか?

それは、脱皮を繰り返すことが生きていく上での大切な習慣になっているからです。自ら成長を繰り返し、大きく、強くなるためには、必須のプロセスであることを生まれ持って知っているのです。

経営も同様であるはずです。理想の企業になるために、痛みを恐れていてはありたい姿に近づくことはできません。さらに言えば、リスクを取って変化していかなくては、現状のままでは競争に勝ち続けるどころか現状維持さえも難しいのです。

タイミングに関しても同じことが言えるのではないでしょうか。ザリガニが冬の前と後に脱皮するように、企業も厳しくなる前に脱皮(業務改革、組織変革)しなくてはいけません。そして、苦境を乗り越えた後にもさらに革新するのです。確かに、改革中はザリガニ同様、一時的に弱い組織になるかもしれません。その間はライバルに攻められることや、社内の抵抗勢力によって混乱が生じることもあるかもしれません。しかし、そのリスクを恐れて脱皮しないことは、将来に大きな痛みの種を残すこととなるのです。

ザリガニは、脱皮後に欠損した部分も再生されるそうです。さらに、はさみが折れていても新しく強いはさみで再生されるといいます。

企業も改革した後には、以前の弱みも克服されているのではないでしょうか。さらに、はさみが強靭になり復活するごとく、かつての強みさえも陳腐化させるくらいの〝新しい強み〟を構築させることができるのではないでしょうか。

経営環境が変わってから受動的に戦略を変えるのではなく、平時から能動的に革新を業務に組み込むことが、マネジメントの原則です。

われわれはニワトリのような家畜になってはいけません。飼育されてきたニワトリが、野生で生きて いくことは難しいでしょう。常に翼を磨き、筋肉をつけ、飛び立てる力を強化していくのです。 ザリガニのように脱皮を習慣化しましょう。

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