人気講師は質疑応答を制す

質疑応答はオマケでも時間調整ではありません。
質問への対応、返答が全体の評価を決定づけることもあります。

内容は抜群だったのに、質疑応答がグダグダだと残る印象は「あの講師イマイチ」です。
逆に内容がイマイチだったのに質疑応答が素晴らしいと「あの講師うまいですよ」となりがちです。

そう考えると「質疑応答」をいきあたりばったりでなく準備しておく必要があります。
ここでは、よくある傾向とその対策について記事にします。

そもそも質問が出ない

傾向

割と多いパターンですが、司会者が促しても質問が出ないときがあります。数十秒の重苦しい沈黙が続き、しまいには「せっかくの機会ですし…講師もこうしてお待ちですし…」と繰り返す。そして「特に無いようですのでこれで終了します!」となりがちです。せっかく一所懸命話をしてそれなりに反応よかったのに最後のくだりでなんか失敗みたいな空気になってしまいます。

対策

・主催者と相談して必須でなければ質疑応答を無くす。
・主催者側にサクラを頼み最初に軽めの質問をしてもらう。
 それをきっかけに質問が出てくる。
・司会者から質問をしてもらう。
・講師側から「よくある質問」を提示して回答する。

トンチンカンな質問…

傾向

「それ今関係ある?」「そのことさっき言ったばかりなにに」
 と感じる質問が出ることもあります。

対策

質問を拡大解釈し意味ある質問に変換して他の聴講者にとっても有意義な内容になるように回答しましょう。結果、質問者の顔を潰すことありませんし、その対応に主催者も感心します。

延々と持論を語る…

傾向

ダラダラと自分の知識を語って、最後に強引に質問的に「・・・と思いますが、先生はどうお考えですか?」なんて締めくくります。

対策

このパターンでは相手は答えを求めていません。自分の知識をひけらかしているだけなので否定するとろくなことがありません。「よくご存じですね」位で流すほうがいいでしょう。議論になってしまうと他の聴講者が迷惑します。

講師の知識を試してくる…

傾向

自分は知っているのに講師を試す意図でわざと質問する人がいます。そのタイプの方は講演中にPCやスマホで検索しながら信憑性を確認していたりします。

対策

まずわからないことは「わからない」と答えましょう。へたに回答してその反論を受けるような流れになると最悪です。「それは専門外です」「その点は勉強不足です」と答えても良識ある聴講者は評価を下げません。逆にそのような質問にダラダラと付き合うほうが引かれてしまいます。

質問の意図が分かりにくい…

傾向

頭が整理できていないのか話がとっ散らかって質問の意図が分かりにくいことがあります。他の聴講者もピンと来ていない。

対策

「〇〇〇〇というご質問でよろしいですか?」と答える前に質問を再定義しましょう。他の聴講者にも親切です。

ファーストリアクション

大勢の前で質問するのは勇気がいることです。答える前のクッションフレーズを3つほど用意しておきましょう。

  • ご質問ありがとうございます
  • いい質問ですね
  • よくぞ気づいていただきました

フィードバックフレーム

単に回答すればいいものではなく、論理と感情の両輪を使い分けましょう。

  • 結論は○○○です。その理由は以下の3点です
  • お答えする前にひとつ事例を紹介します
  • いつも言わないんですが質問いただいたので特別に…

あらかじめパワーポイントを残しておく

質疑応答用にスライドを準備しておき、特別に見せることによってスペシャル感を与えることが出来ます。
自信があるコンテンツをあえてここで出すのもテクニックです。ただし長すぎずスライド1枚程度にしましょう。

質疑応答の傾向と対策のまとめ

質疑応答はコントロール出来ないので難しい点もありますが、この時間を味方につけることができればプロ講師として評価のステージが上がります。本編は抽象論が多く不満が出そうな雰囲気だったのに、質疑応答で具体事例がたくさん聞けて評価が逆転したケースもあります。逆に講演はよかったのに質疑応答がグダグダになり不評を買ったケースもあります。
ある意味では質疑応答が成否を握っているということです。

質疑応答の傾向と対策を準備しておこう
質疑応答を味方につける
慌てず堂々と答えよう。回答不可も堂々とすればいい。