ロールモデルインタビュー 第四回

受講者の成果が講師としてのモチベーションになる

 小森コンサルティングオフィス 代表 小森康充さん
     営業力強化コンサルタント 元 P&Gアジアパシフィック最優秀マネージャー

ーどのような企画で講演研修をされているのですか?
独立後一貫して営業研修(スベらない商談力研修)がメインです。私はP&Gやロレアルなど小売営業を経験してきましたが、お客様は様々で銀行、証券、食品、工場、労働組合、病院など多岐にわたります。

「最初の講演」は友人ルートで無料でやらせていただきました…

ー講師をしたい人はたくさんいますが、皆さん一件目の依頼に苦労します。小森さんは最初の依頼はどのように得たのですか?
外資系企業で20年のキャリアがあり講師はすぐにできるだろうと思っていたのですが、実際はたいへん苦労しました。まわりに独立して講師やコンサルタントをしている人はいないなか講師で独立したのですが、最初は営業がうまくいかず契約は取れませんでした。最初から安宅さんのような人に相談すればよかったのですが我流でやったのでスタートダッシュでつまづきました。

最初の1件は友人ルートで無料でさせてもらいました。その実績をHPやブログに書いて少しずつ実績をつくっていったことで、徐々に口コミでひろがっていきました。
その後、脱サラをして講師、コンサルでうまくいっている人に出会ってアドバイスをもらったり、講師派遣会社、エージェントと関係が出来てきたことで少しずつ仕事がまわりだしました。

全国規模のフェアの講師をしたことがターニングポイントに…

ー小森さんの営業力強化研修の強みを教えていただけますか?
外資系企業で20年間、営業、営業マネージャーとしての経験で多様な角度の質問に答えられます。全体に伝える営業ノウハウだけでなく一人ひとりの具体的な課題に対してアドバイスができます。研修の中では意識して頻繁に質問を受けています。
またワークショップをふんだんに入れるようにしています。おおよそ半分は参加型です。講師の話を聞くだけではなく自分が出来ているか振り返ってもらい、それをグループで発表しあう時間を重要視しています。

ーその後、依頼が増えていくときにターニングポイントはありましたか?
実施したクライアントからアンケートを見せてもらい「売り上げが上がった」「営業としてのマインドセットができた」「モチベーションがあがった」などの喜びの声を聴くことで研修講師をやってよかったと痛感しました。
また大手の講師紹介会社で何度か仕事をしたのち、某大手企業の全国規模のフェアでの講演オファーをもらいました。そのイベントではビッグネームの講師ばかりのなかに私の写真も並べて日本経済新聞や地下鉄の中刷りなどで宣伝広告をしてくれました。そのことで一気にブランドが高まりましたし自信もつきました。
さらにビジネス書籍を出したことでクライアントの見方が変わりました。

ーちなみにどのようにして出版に至ったのですか?
当時、私のまわりにはビジネス書を出している人なんて一人もいなかったのでどうやって出すか分からなかったのです。あたりまえかもしれませんが、ビジネス書を出すためにはすでに出版している人と接することが重要です。とはいえ誰も知らなかったので友人ルートで出版記念パーティーに参加して出版している方々と交流を持ちました。すると次々に出版記念パーティーのお誘いが来ますので積極的参加し続けました。その流れで「かんき出版」の当時の社長の講演に参加することになり、一番前で一所懸命にメモをして聞きました。講演後の立食パーティーでご挨拶すると一番前で熱心に聞いていた人ということで覚えてくれていました。後日、昼食をご一緒させていただき経歴や想いを伝えたところ「うちで出版しよう」と社長のトップダウンで決まりました。

ー依頼が続く講師になるために必要なことを教えてください。
「お客様のために」という精神で講演・研修を聞いた人への貢献を常に考え続けることです。また主催者の企画目的、意図、受講者に何を与えたいかをしっかり把握して、その目的が達成する話をすることです。
さらに講師紹介会社、エージェントとの信頼関係の構築です。
まとめますと「受講者」「主催者」「エージェント」の3者に満足いただくことが重要だと思います。

「受講者」「主催者」「エージェント」の3者の満足を考える

ー最後にこれから講師デビューを目指す方にアドバイスをお願いします。
3つのアドバイスをさせていただきます。
まず「諦めないで『必ずやるぞ』と信じて明るく楽しんで進めてください」。もうひとつは「講師紹介会社、エージェントなどの貴重なアドバイスをしっかり聞くことで成功が早くなります」さらに「自分と似たようなキャリアでうまくいっている講師を見つけてアドバイスをもらう」です。もちろん100%同じ境遇ではありませんが、その人は何が成功のポイントだったのかなどを参考にさせてもらうことは必ず役に立ちます。
ー大変貴重なお話ありがとうございました。

小森コンサルティングオフィス 代表 小森康充

P&Gジャパン、日本ロレアル、COACHジャパンなど、実力主義の外資系企業で20年間の 営業キャリア、人材育成キャリアを積む。その後、神戸学院大学客員教授に就任。 2009年、営業力強化コンサルタントとして独立。
P&G時代においては、常にトップクラスの営業成績を上げ続け、当時P&Gトレーナーの世界トップであったボブ・ヘイドンよりコミュニケーションスキルとマネジメントスキルを直接学び、営業トレーナーとしても社内や得意先の人材育成に貢献。アジアパシフィック最優秀マネージャー等、数々の表彰を受ける。また、世界No1サクセスコーチといわれるアンソニー・ロビンズのコーチングスキルを習得し、20年間の実績が証明する卓越したスキルと 世界No1コーチングスキルをミックスした独自のスキルを確立。わかりやすく実践的な指導には定評がある。

取材後記

いま第一線で活躍されているのにここまで赤裸々に話してもらえて、これから会社員から独立型講師を目指す人たちの指針となるインタビューになりました。出版を実現させるプロセスだけをとってもチャンスをつかむための行動力と準備がいかに重要かを学べます。(インタビュアー/文:安宅 仁)