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期待した成果が出なかったと言われました…
研修の限界を共有する
そこで管理職を対象に研修でコーチング型のコミュニケーションスキルとモチベーションを高めるリーダーシップを習得してもらうということが要望でした。
講師に与えられた時間とニーズの整合性
そんなの2時間の研修でスグに成果が出るわけないですよ!
もし出来たら魔法です。
「でも、担当者の人が言うので・・・」
担当者は課題の全体像を話しますが、それを聞いて打ち合わせを終えてしまうからいけないんですよ。
「といいますと?」
担当者だって2時間や1日の研修で問題解決できるなんて思っていません。
それを問題を聞いて「分かりました」と返事するからへんに期待感が高まってしまい、終わってから不満が残るんですヨ。
その研修で達成できる小ゴールを設定する
「じゃあ、どうしたら良かったんですか?」
問題の全体像を聞いたうえで、それを分解していき、2時間研修のゴールを作らないといけないんです。
「えっ? もう少し具体的に教えて下さい」
それじゃ、簡単に言えばこのようなゴール設定です。
・最初にありたい状態を定義する
「理想の状態を10点満点として、現在は何点ですか?」
・現状の状態レベルを確認する
「対して現状は何点ですか?」
・そのギャップを課題とする
「『4点』ですか…では今回の研修で何点にしたいですか?」
「『7点』ですね。それではゴールを『・・・』に設定しましょう」
ゴール設定が曖昧だと相手は10点満点を期待します。
「それで、先方に不満はないのですか?」
冷静に考えれば、当たり前のことなのでクライアントも納得するでしょう。もし、「研修ですべて解決して下さいよ!」という担当者だとしたら怖くて引き受けられないですよ。
かえって、課題を分解して小ゴールを設定する講師の方が良識ある担当者は信頼してくれるはずです。
講師は研修成果を高める施策を提案する
研修を行動レベルに落とし込むアドバイスをする
残念ながら、研修で達成できる成果はそんなに長続きしません。本当に問題解決するためには、その研修で気づいたことをスグに行動に移せるような状態をつくり、定着させないといけないのです。
なぜ、研修は定着できないのでしょうか…
よくあるパターンは、上司の研修否定です。
受講するメンバーに対して「研修なんて現場で役に立たない」といった考えを吹聴するのです。
直属のリーダーがそのような態度だと、どんな素晴らしいことをインプットしてもアウトプットに繋がりません。
研修の成果を最大化するためには、受講前に上司と受講メンバーで「研修の意義と期待する成果」を共有します。研修から戻ったら「研修で学んだこと、個人として取り入れたいこと、チームで実行したいこと」をヒアリングします。この研修前後の上司とのコミュニケーションが重要なのです。
結論として、講師はクライアントにこのような提案をすることで、信頼を高めるのです。
それが冒頭の打ち合わせの安請け合いによって生じる不満の抑制にもなります。