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なぜ、個人向けセミナー講師は企業研修で失敗するのか(1)

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要因1:プロ講師は誰の満足を重視すべきか

セミナー、研修の顧客満足をどう定義すべきか…あなたはどのようにお考えですか?
この問いは講師のフィールドによって異なります。

受講者の満足がゴールなのか?

「受講者満足に決まっているじゃないですか!」
個人向けにセミナーを展開している講師は、必ずそう回答します。
あたりまえに聞こえますが、正解ではありません。
セミナー講師が企業研修で失敗する原因がここにあります。

費用を負担しているのは誰なのか

企業研修講師に同じ問いをすると「主催事務局の満足が最優先」と答えるでしょう。
あたりまえです。コストを負担して講師を依頼し、社員を集めているのは主催事務局(企業で言えば人事部であり、大本は社長)なのです。講師料だけでなく遺失利益(通常業務をしていたら得られるであろう利益)も負担しています。

仮に受講者を喜ばせてほしいという依頼であれば、受講者満足が主催事務局の目的となるのでいいのですが、必ずしもそうではありません。
例えば、営業研修で事務局が「きびしく意識改革をしてほしい」というニーズであれば、受講者の営業パーソンが嫌がることも言わなくてはいけません。そうなると受講者アンケートで不評が多くなります。
しかし事務局が満足であれば成功です。

講師養成の視点から「個人向けセミナー」と「法人向け研修」の差異

ここで、ざっくりですが「個人向けセミナー」と「法人向け研修」の違いを記載します。
個人の見解です。また、どちらが上という意図もありません。

        個人向けセミナー法人向け研修
対象者の規模と特性学習意欲の高い個人。自己啓発に関心のある個人事業者。業績向上を目指す経営者人材育成で目標達成、課題解決を目指す企業
対象者の目的目標達成のためのスキルアップ。新たなビジネスチャンスへのノウハウ獲得組織全体のパフォーマンス向上や業務プロセスの改善など、組織の特定の課題や目標
カリキュラムの柔軟性講師側からの告知すみのコンテンツ、事前質問に対応。組織のニーズに即した厳密なプログラムが必要であり、柔軟性が制約されることがあります。
提供価値講師自身がうまくいった実体験から得たノウハウの提供。
いかに再現性あるメソッドに仕上げているかが価値。
多様なコンテンツをレクチャー、ワーク、ディスカッション等で気づきを与え行動変容を促す
講師の特長ネット上で知名度のある発信者。特定の分野でのカリスマ性を持つ何らかの経験から一定領域において卓越したスキルを持つ講師。
受講者のモチベーション自発的な参加が多く、個人のモチベーションや興味が主導します。上司や人事の命令で参加するため動機付けが弱く、排他的な姿勢
提供形式セミナールームやオンラインでの講義形式主催企業の社内やオンライン形式
評価指標個々の受講者の満足度、その結果となるバック商品の契約数。主催組織からの評価、その結果となる次回研修の依頼。
コスト通常、受講者1人あたりの料金で参加者本人が負担主催組織が全額負担。受講者の負担はありません。
関与度セミナー後もコミュニティで関係を深めていく主催者とは継続的にコンタクトをとるが、受講者への交流は基本的にはない。
集客講師のハウスリスト、SNSフォロワー、SNS広告などで募集主催者が対象社員を集めるので講師は集客の不安はない
開催頻度集客及び準備に相当の時間を取られるしリストも枯渇するので頻繁な開催は無理テキスト等の準備だけなのでベーシックな持ちテーマであれば毎日でもできる
収益集客に成功すれば1回で100万以上可能。広告宣伝費など固定費を超えればすべて利益となる契約時に約束した研修フィー。仕入れがないので全額利益となる

エージェント満足も重要

また主催者にあなたを推薦したエージェントがいる場合は「エージェント満足」が重要です。
エージェントはあなたを推薦して主催企業から評価されることで成果を得ます。例えばあなたへのリピートがはいったり、別の部門やグループ会社から紹介依頼が来ることです。それがあなたへの依頼でなくても、エージェントはあなたを評価し別案件をまわそうと考えます。

エージェントが紹介したくない講師

逆にエージェントが見放す講師もいます。研修後に「次回は直で連絡ください」という講師です。
エージェントは講師料の一定額を受け取ります。あたりまえです。案件を開発するにも受注するにも相当の時間とコストをかけています。それを理解せずに直接依頼を促すのはルール違反です。しかし意外と多いのです。個人向けのセミナー講師にその傾向があります。

私は研修1案件を深堀してフォローアップなどに展開することを推奨していますが、エージェントを介して関係が出来た顧客は、エージェントと共同開発すべきと考えます。それが嫌であればエージェントは使わないほうがいいでしょう。もちろん講師としての戦略の話しですので、正解は本人がどのように講師ビジネスを展開していきたいかです。

企業研修では受講者の前に、主催者が顧客であり、キーパーソンであることを忘れてはいけません。

講師ビジネスを軌道に乗せたい方にプロ講師ドットコムは、コーチングやコンサルティングで伴走しております。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

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