令和8年「安全大会」の講演企画のポイント

2026年「安全大会」のための2025年振り返り
1. 労働災害発生状況の推移
2025年は、長年減少傾向にあった死傷者数が下げ止まり、微増に転じるという、厳しい局面を迎えました。
2026年の「安全大会」を企画するにあたり、まずは傾向を見てみましょう。
| 項目 | 動向 | 特徴 |
| 墜落・転落事故 | 微減 | フルハーネスの定着で重大事故は減ったが、低所(2m未満)での油断による事故は依然多い。 |
| 熱中症 | 大幅増 | 2025年の記録的な猛暑により、現場での発生数が過去最多レベルを更新。 |
| 高齢作業者の事故 | 増加 | 60歳以上の作業者が占める死傷者割合が35%を超え、身体能力の衰えが直接的な原因に。 |
| 新規入場者事故 | 増加 | 深刻な人手不足により、経験の浅い作業者や外国人労働者の不安全行動による事故が目立つ。 |
2. 現在、業界が力を入れている取り組み
| 「健康リスクアセスメント」の導入 | 個人の「体調不良」が重大事故の引き金になるという認識が広まり、血圧測定や睡眠管理が強化されています。 |
| 安全DX デジタルトランスフォーメーション | AIカメラによる不安全行動の検知や、ウェアラブルデバイスによる熱中症警戒アラートの導入 |
| 「伝え方」の変革 | 指示を出す側のコミュニケーション能力向上。一方的な命令ではなく、心理的安全性を高める対話の推進 |
2026年安全大会の指針
2025年のデータから読み解く「2026年安全大会」の最重要テーマとは?
〜マンネリを打破し、現場の行動を変える企画術〜
はじめに
2026年の安全大会を企画するにあたり、2025年の統計データを見ると、安全対策は高度化しているはずなのに、現場の事故は「下げ止まり」の状態にあるからです。 なぜ、ルールを厳格にし、設備を整えても事故はなくならないのか?
2025年の教訓:技術では防げない「人間の揺らぎ」
昨年度の労働災害で注目すべきは、墜落や転落といった「王道」の事故が微減した一方で、熱中症や高齢者の不注意による事故が急増した点です。これは、安全帯や足場といったハード面の対策は限界まで進んでおり、現在は「作業者の身体と心のコンディション」というソフト面のリスクが顕在化していることを示しています。
特に猛暑が常態化した現代において、熱中症はもはや気合で防げるものではありません。
また、熟練工の高齢化に伴い、本人の「自覚と実際の身体能力」のギャップが事故を招くケースも目立っています。
2026年に選ぶべき講演テーマの3軸
これらを踏まえ、2026年の安全大会で取り上げるべきは、受講者が「これは自分のことだ」と腹落ちする、より具体的で人間臭いテーマです。
- 「健康」こそが最大の安全装置である
従来の「病気にならないための健康」ではなく、「事故を起こさないための健康」という切り口です。睡眠の質、集中力、そして自身の身体機能の客観的な把握。実技を交えた「体感型」の講話は、特に協力会の社長や現場責任者に高い満足度を与えます。 - 「心理的安全性」と現場のコミュニケーション
事故の裏側には必ずといっていいほど「言いにくい空気」が存在します。「おかしいと思ったが言えなかった」という沈黙が重大事故を招きます。組織心理学に基づいた、現場の風通しを良くするための具体的な対話術は、DX化が進む今だからこそ求められるアナログな解決策です。 - 「異業種」の失敗学・成功学から学ぶ
建設業界の中だけで話を完結させると、どうしても「聞き飽きた内容」になりがちです。航空業界のヒューマンエラー対策、プロスポーツ選手のコンディショニング、あるいは消防・レスキューの危機管理。異業種の視点を取り入れることで、参加者の脳に新鮮な刺激を与え、思考のマンネリを打破します。
安全大会は「投資」
安全大会を「年間のルーチン行事」として消化するだけのものにするか、あるいは「現場のパフォーマンスを高める投資」にするか。その分水嶺は、講師選定の段階で決まります。
2025年のデータが示しているのは、現場の安全管理は一定レベルに達しているのではないでしょうか。必要なのは、規則やデータにない危機を予知して回避するひとりひとりの感受性や、現場で誰もが注意をしあえる関係づくりの構築。睡眠不足や腰痛・肩こり、ストレスなど間接的に事故に結びつく事項の対処など、高度な安全スキル出ない要素が重要になってきます。
毎年、「無料で安全講和をしてくれるOBに頼む」という協力会もおおいですが、詳しく聞くと「みんな眠ってます…」とのこと。それでは忙しいなか集まったかいがありません。「安全大会は投資」と考えプロとして活躍している講師を選定しましょう。きっとこれまでにない成果が得られるでしょう。
「今年の安全大会は一味違ったな」 協力会のパートナー企業からそう言われる大会を共に作り上げましょう。





