商工会議所からスタートする講師起業

地域経済団体は、設置地域の経済活動を促進し、地域全体の発展を図るために組織される団体です。
地域内の事業者、官公庁と連携し、地方創生の推進、経済の振興、雇用の促進、地域資源の有効活用を目指しています。

各組織それぞれの役割のもと、当該地域の経済の健全化させ、持続可能な地域社会の構築、自らの組織の存在意義の高めます。
ここでは下記の組織に関して解説します。*厳密には経済団体でない組織も含みます。

✅商工会議所・商工会
✅法人会・納税協会
✅中小企業団体中央会
✅青年会議所

これからビジネス系テーマの講師を目指す人にとって大変重要な市場です。
士業講師などは、国の施策を普及する案件にチャンスがありますし、各種コンサルタントも中小企業、小規模事業者の経営に貢献するノウハウを持っていればセミナー企画が採用される可能性は十分あります。

商工会議所・商工会

商工会議所は全国に515ヶ所、商工会は1643ヶ所あります。「地域の中小企業・小規模事業の活力強化」と「地域経済の活性化」を目的に、一定区間ごとに設置された公益の経済団体です。経営革新や事業承継の支援、新たな産業の創出のための創業支援などに力を入れています。

講師が関連する組織としては「本会」を中心に「青年部」「女性会」、産業別に「工業部会」「商業部会」「観光部会」等が配置され、別途、各種「委員会」などもあります。
「青年部」は会員事業所の後継者で男性に限るわけではありません。
「女性会」は会員事業所の女性経営者および役員で社長の配偶者が中心です。
産業別の部会や委員会も課題に応じてセミナーを企画します。

大型の講演企画としては「新春講演会」で経済情勢をメディアで活躍するエコノミストを招聘しています。この枠は、著名講師枠だと考えてください。

皆さんのターゲットとするのは、経営改善普及事業の一環としておこなわれるセミナーです。
主に中小企業、小規模事業者の経営課題を解決するコンテンツが求められます。
例えば「事業承継」「経営革新」「IT活用」「人材不足」等です。

また国や都道府県の企業施策の啓発、実施する機関です。
近年の例でいえば「インボイスの推進」などがそれにあたります。

「創業塾」も多くの商工会議所で開催されています。
かつては多様な講師でプログラムするケースが多かったのですが、近年は同一講師でより実践的におこなう傾向です。

「青年部」「女性会」は経営に役立つ内容の前提の中で、その属性の興味関心を意識するテーマ、内容が求められます。

商工会議所は経営関係の講師の登竜門となります。
いま企業研修で活躍する講師もスタートは商工会議所だった人が多くいます。
多くの講師が売り込んでいますので簡単ではありませんが、企業の人事部より話は聞いていただけるでしょう。

一方、商工会は全国に1643商工会があります。中央組織が全国商工会連合会都道府県に商工会連合会があり、主に平成の大合併前の町村単位に配置されていますので、小規模事業の比率は商工会議所より高くなります。

基本的な役割は商工会議所と同じですが、管轄官庁と法律が異なります。

商工会議所商工会
管轄官庁商工会議所法商工会法
根拠法経済産業省 経済産業政策局経済産業省 中小企業庁

商工会にも「青年部」「女性部」等があります。ただし講演、セミナーに関しては、単独での開催よりも広域での共同事業が多くなります。とはいえこれだけの数がありますので市場としては期待できるでしょう。

法人会・納税協会

法人会は健全な税制実現のための租税教育をする社団法人です。
全国(近畿2府6県以外)に523法人会があり、納税協会は大阪国税局管内に83納税協会が存在します。これらの組織は法人や納税者の相互サポートを図り、地域社会に貢献しています。

法人会の中央組織は「公益財団法人全国法人会総連合」で、納税協会は「公益財団法人納税協会連合会」で大阪にあります。ほぼ同じ役割ですが、法人会は、法人企業のみ対称にしていますが、納税協会は法人と個人を包括した組織運営が行われております。
主に「税務制度の変更と影響に関する情報提供」「法人の経営戦略と法的リスク管理・企業法務における最新の動向と実務知識」を提供しています。

毎年11月11日から11月17日までの1週間を「税を考える週間」として、講演会などを企画しています。テーマは必ずしも税金にかぎるわけではありません.

また法人会、納税協会にも「青年部」「女性部」があり、それぞれで活動があります。

中小企業団体中央会

中小企業団体中央会は商工会議所と同様に「中小企業の振興」を組織の使命としております。大きなゴールは同じですが、中央会は共同事業を推進して中小企業を発展させることを手段としています。
全国中小企業団体中央会を中央組織として47都道府県の中小企業団体中央会が存在します。
共同事業とは「協同組合」「企業組合」「商店街振興組合」等々になります。

ちなみに「日本商工会議所」と「商工会連合会」と「中小企業団体中央会」が「商工三団体」です。さらに言えば、この三団体に「経済同友会」「経営者協会」を加えたのが、『経済5団体』です。

2023年の7月20日におこなわれた「全国中央会」で『「地域を舞台に挑戦する人材を育てる」共同宣言 」をしました。こちらでも「起業家」「後継者」「デジタル人材」の育成に力を入れるようです。

また「レディース中央会」という名称で中央会女性部・女性中央会の全国組織という組織化をしています。組合女性部の全国レベルでの交流と連携、女性経営者等の研鑚、女性起業家の支援等に取り組んでいます。企業向けに「女性活躍推進」の講師をしようと考えている人は、このような組織も開発ターゲットにできるかもしれません。

青年会議所

続いて「青年会議所」です。JCと言った方が伝わるかもしれません。
青年会議所は日本青年会議所を中心に全国に678の青年会議所が存在し、若手リーダーの成長と地域社会への貢献を目指しています。

 主に地域の40歳までの青年経営者、主に後継者の集団です。もちろん女性も入れますし、サラリーマンでも入れますが、いても数名です。

修練・奉仕・友情を信条にしています。

他の団体の青年部とは異なります。青年会議所と青年部の大きな違いは、青年部は補助金で経営周りの学習をするのに対して、青年会議所は自分たちの資金と時間を使って、ボランティア活動や社会的な課題に対しての啓発活動をしています。

近年は「SDGs」の支援に力を入れていますが、もともと青年会議所は「環境」「福祉」「青少年」などに長年取り組んでいます。

毎月の月例会や委員会活動があり、講演会やイベントにたいへん熱心で、数多くの企画を手がけています。

市場としての期待

市場としての期待

国が掲げる地方創生のためには、都市部との情報格差を減少させなくてはいけません。
そのために地域事業者や地元住民へのスキルアップが必要不可欠と考えます。

デジタルトランスフォーメーションの浸透

デジタル技術の進化に伴い、事業者や地域社会は新たなスキルや知識の獲得が求められるでしょう。これに対応する研修やセミナーの需要が増加する可能性があります。地域振興と連携地域振興の一環として、商工会議所や地域経済団体が企業や住民向けに実施する講演や研修が増加する可能性があります。

新たな法改正やビジネス環境の変化

新たな法改正やビジネス環境の変化
法改正やビジネス環境の変化に対応するため、事業者が必要とする情報やスキルの提供が求められ、それに伴い講演や研修の需要が増すことがあります。

オンラインイベントの普及

オンラインでの講演や研修が一般的になりつつあり、地域経済団体もこれに適応する動きが見られるでしょう。オンライン形式のイベントが需要を喚起する可能性があります。

地域社会の課題解決

地域社会が抱える様々な課題に対処するための新たな情報やノウハウの提供が求められ、これに対応する講演や研修が需要を呼ぶことが考えられます。

地域振興のカギを握る団体を応援しましょう

僕は研修・講演のプランナー時代に、30代の一番勢いのあるときに新プロジェクトとして地域経済団体の市場開発のプロジェクトリーダーになりました。

経済団体に特化したチームでしたが、補助金がどんどんカットされていく時代で、眠れない夜を過ごしました。しかし、試行錯誤から生み出した企画が大ヒットして最終的にはプロジェクトを大成功させました。

苦しかったけど、あの経験が僕を成長させました。
怒られたこともありますが、経営指導員さん、補助員さん、事務局長にはたいへんお世話になりました。
僕は適切なセミナー企画、講師を提案することで経済団体を支援していきたいと思っています。
経済団体で活躍したい講師の方、これから講師デビューしたい方とオンライン面談しております。
是非、お問い合わせ下さい。