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パワーポイントは講師の強い味方
このような講師希望者、現役講師にお勧めの記事です。
講演、研修にとってパワーポイント(PPT)は強い味方です。
自身のコンテンツの言葉では伝わりにくい部分を補完してくれます。
しかし、その効果に依存しすぎて迷走しているケースも見かけます。講演・研修では一般的なプレゼンテーションとは違ったPPTとの付き合い方があるのです。
講師がパワーポイントを使う理由
目的
講演・研修の理解度を高めデリバリー力を上げる
期待する成果
- 言葉では不十分な情報を効果的に補完する
- 受講者を最後まで飽きさせず惹きつける
- ワンランク上の提案書類で依頼を獲得する
パワーポイントの使用意図の分類
講師がパワーポイントを使うとなると講演、研修の現場をイメージすると思いますが、その前段階で企画提案をする際にも有効です。
まずは、その使用意図の分解からスタートします。
投影スライド | 企画提案資料 | |
目的 | 企画提案、決裁 企画目的の達成、聴講者満足 | 企画提案、決裁承認 |
二次的目的 | 高評価によるリピート依頼 | 資料のひとり歩きによる拡販 |
要素 | 講演研修そのものの興味、関心を高め理解を深める etc. | 課題の問題定義、プログラムの可視化 etc. |
要件 | 内容への共感、直感的 | 企画全体の一貫性、論理的 |
構成 | その場で補足できるので要点のみでOK | 読み物となる前提で一定の情報量が必要 |
フォント-アニメ | ゴシック、メイリオ アニメはポイント箇所で効果的に使用 | 読み資料は一般的には明朝だが近年はメイリオが主流。アニメは原則なし |
枚数 | 時間枠、内容に応じて10~100枚 | ワンシート、2~10枚程度 |
投影スライドの二極化
投影スライドはイメージ画像かワンセンテンスのみにすべきという意見を聞くことが多くなりました。恐らくスティーブ・ジョブズや「TED」のプレゼンテーションのイメージなのでしょう。
しかしプレゼンと講演・研修は違います。あのようなパフォーマンスを90分も続けるのは難しいでしょう。
そもそもカリスマ性のない講師が真似すると大怪我します。
「TED」か「ロジカル」か
「TED風プレゼン」スライド | ステーブ・ジョブズのプレゼンやようにドラマチックなストーリー、身振り手振りのパフォーマンス、卓越したトーク力によって聴衆者を巻き込みながらマインドを揺さぶる。スライドは最低限の画像やアニメーションのみ。 |
「ロジカルプレゼン」スライド | 論理的に構成されており、先に目的とゴール設定が共有され、コンテンツごとに適宜振り返りをしながら受講者の理解度を確認していく。おのずとスライド数、情報量は多くなる。 |
この点の私の結論
「TED」プレゼンは、カリスマ性があり短時間であればいいが、講演・研修には不向きだと考えます。本サイトでは「ロジカルにスライド」を構成するスタイルのほうが、体系的に整理がしやすく研修に適すると判断しております。
「スライデュメント」厳禁
「スライデュメント」とは…
「スライデュメント」は「スライド」と「ドキュメント」を組み合わせた造語です。つまり投影スライドと手元資料が同じものを使うことです。
なぜ避けるべきなのか…
投影スライドをそのままA4に6スライド入れて配っているケースをよく見かけます。これって親切なようですが残念ながら受講者の集中力を削いでしまいます。
すべてネタバレの状態で興味関心が失せてしまうからです。
またA4をイメージして制作しているために、配布設定をA4に4~6スライドにすると小さすぎて読むことが出来ずストレスを感じます。
では、どうするべきか…
面倒でも投影スライドと配布資料を2種類制作すべきです。
もちろんベースは同じですので、完全版から重要な部分を抜くことと、縮小されても読めるような文字サイズにしておきましょう。
スマホでスライドを見るケースも増加
オンライン講座への対応
これからますますオンライン講座は増えていくでしょう。その時、リアルの研修と同じスライドでは問題が生じます。講師側はPCで視聴すると思いがちですが実際は、スマホでの受講がかなり多いそうです。つまりスマホ受講を前提に制作する必要があるのです。
自分もスマホで見てみる
結論は前述の縮小されても読める文字サイズにすることは同じです。そう考えると新しい時代に向けて文字サイズを見直す機会と考えましょう。
またZOOMなどで使用する際にワイプで顔出しすることも想定してスペースを考えまておきましょう。
制作したスライドは自身のスマホで確認してください。その時はグーグルスライドに入れてチェックするのが効果的です。
研修企画の提案資料をパワーポイントでつくる
講演・研修でパワーポイントといえば投影スライドをイメージしますが、企画書類作成においても有効なツールです。講師が企画提案する際、キーパーソンの前で説明できる機会はあまりありません。主に窓口担当者に資料を渡して会議で図ってもらうパターンが多いでしょう。ですから投影スライドとは違い必要十分の内容の記述が必要です。
提案書はテキストが多くてOK
企画提案書は読むことを優先しますので、前述のスライドも文字サイズを大きくする必要はありません。逆に配布する前提なのに1スライドに単語のみというのはいただけません。紙を少なくするためにも一枚に一定量詰め込んでも大丈夫です。ただし、同時にプレゼンテーションをするのであれば、先にお伝えしたとおり企画提案書とスライドは別に制作しましょう。
研修企画提案書の要素
表紙 | 主催者名、提案タイトル、提案日、自社及び講師名 |
提案の背景 | なぜこの研修を実施すべきか(社会、市場の変化等) |
目的 | ゴール設定 |
ターゲット層 | 階層、職種、役職等々 |
ビフォーアフター | 現状の課題の定義、理想の状態 |
アクションフロー | 実施前ヒアリングや後のフィードバック等 |
プログラム案 | コンテンツ、ワークショップなど |
オプション | さらに研修効果を高めるサポート案 |
講師 | プロフィール、実績、アンケート評価、選ばれる理由3点等 |
連絡先 | 社名、住所、URL、email |
あくまでサンプルです。担当者に要件を聞くほうがいいでしょう。
(A4一枚にまとめたほうがいいばあいもあります)
見積、準備関係は別紙で窓口担当者に渡すのがスマートです。
『講師のパワーポイント活用』まとめ
講師にとってパワーポイントは強い味方ですが、使い方を間違えると失敗の基となります。顧客視点、成果重視、自分の強みの視点からどのように活用すべきかを判断しましょう。