書く際に押さえておきたい構成を元新聞記者が解説
プレスリリースは、伝えるテーマによって内容が異なり、一般的に体裁やレイアウトなどの決まりもありません。それだけに作成する際に戸惑うこともあるかと思います。まずはプレスリリースの基本構成5つを押さえましょう。新聞記者として年間1万通以上のプレスリリースに接し、取材してきた経験からお伝えします。
基本構成は「タイトル」「概要」「写真」「本文」「問い合わせ先」
プレスリリースは、主に5つの構成で成り立っています。写真は文章ではありませんが、読み手に負担をかけずに伝える大切な構成要素のひとつ。ぜひ準備しましょう。
1、タイトル
2、概要
3、写真
4、本文
5、問い合わせ先
この5つの基本構成をA4サイズ2枚程度にまとめると良いでしょう。プレスリリースは、読み手に問い合せ先まで到達してもらうことが目的の文書なので、長ければ良いというものではありません。盛り込めない情報やデータがある時は、参考資料としてプレスリリースとは別文書で、一緒に添付します。
1タイトルは、新聞でいうところの見出しです。伝えたいこととその価値が分かる言葉を選びましょう。読み手は、2概要と3写真でイメージを膨らませ、4本文に進んで具体化、5問い合わせ先へと着地します。
プレスリリース それぞれの基本構成を解説
プレスリリースを構成する5つを、それぞれ解説していきます。
1、タイトルは端的に内容と価値が分かる表現に
タイトルは記者が最初に見るところなので重要です。ポイントは、伝えたいことが「何」で、その「価値」が分かること。自社にとっての価値ではなく、社会にとっての価値です。「そのことで、社会がどうなるか」がポイントになります。キャッチコピーのような凝ったタイトルは不要です。30~40文字程度で端的に。難しい場合は新聞記事の見出しを参考にしてみましょう。
2、概要は5W1Hを意識、社会背景も
概要には、この文書が何の要件なのかを書きます。意識するのは「5W1H」。書く順番としては「だれ(何)が、いつ、どこで、何を、どのように」がスムーズ。さらに「なぜ」の部分も加えていきます。取材依頼の反応を上げるには、世の中の課題、社会背景や時代の流れなどを記すと、記事にする意義、必要性が増して有効です。
3、写真はオリジナルのものを用意
写真はフリー素材などのイメージ写真ではなく、伝えたい情報に関連する、オリジナル写真を準備しましょう。読み手がぱっと見て、取り上げるイメージが沸きやすいものを使います。
4、本文で具体化、項目別に分けて書く
本文は2~3項目に分けて、写真の下から2ページ目のお問い合わせ前までのスペースでまとめます。
・本文パート1
伝えたいことの「何」の部分の説明です。そこに至るまでの経緯や思い、コンセプト、データ的なもの、今後の展望などを入れるとよいでしょう。
・本文パート2
伝えたいことの「詳細」の部分です。イベントなら日時や場所、当日のスケジュールなど、商品であれば、詳細情報や価格などを記します。写真などを入れてわかりやすくします。取材対応が可能なことを箇条履きにしても良いでしょう。
・本文パート3
スペースがあれば「補足」も。キーパーソンの略歴、会社概要などを記します。また動画のURLや過去のメディア掲載実績などがあれば記します。
本文の説明、詳細、補足でプレスリリース内に書き切れないものは、参考資料として別にまとめます。もし、イベント告知のチラシ、商品概要リリース、キーパーソンの経歴書などがあれば参考資料として一緒に添付して構いません。
5、問い合わせ先も忘れずにリリース内に明記
メールや電話番号など、広報担当者の連絡先をプレスリリース内に記載してください。封筒の裏面に連絡先を書いても、中身だけ持っていて封筒は捨てられてしまうケースがあります。メールもたくさん届くので、プレスリリースのみフォルダに保存して、メール本体は削除といったこともあり得ます。記者がプレスリリースだけで連絡ができる状態にします。
以上、5つの基本構成を紹介しました。プレスリリースは「ワンリリース・ワンテーマ」が原則。書く前に集めた情報を整理し、必要なものを記していきましょう。