組合員の声をカタチに!参加型の研修で組織力を高める
組合員が「もっと組合に関わりたい」と思う研修とは?
労働組合は、企業内における労働者の権利を守る重要な役割を担っています。しかし、近年では、働き方の多様化や企業のグローバル化など、労働環境が大きく変化しており、労働組合のあり方も問われています。
そのような中で、労働組合の活性化に不可欠なのが、質の高い教育研修の実施です。本記事では、労働組合の教育研修の現状や、より効果的な研修を行うためのヒントをご紹介します。
他の労働組合がどんな講演、研修をしているのか?
従来の組合員に対しての講演といえば、有名人を招いての文化講演会が主流でしたが、近年の若手はあまり興味を示しません。もっと自分の人生にインパクトを与える企画を期待しています。
多くの労働組合では、組合役員に以下の様な研修が行われています。
- 組合役員向け研修
組合運営に必要な知識やスキルを習得するための研修 - 組合員向け研修
労働法、労働契約、キャリアアップなど、組合員にとって役立つ知識を習得するための研修 - 職場改善研修
職場環境の改善、生産性の向上などを目的とした研修 - コミュニケーションスキル研修
組合員同士、職場内の組合員、労使間、上部団体、他社の組合役員とのコミュニケーションを円滑にすることも期待されています。
このような労働組合に直結するスキルばかりでなく、個人として成長するためのスキルも提供しています。
なんと最近は企業の副業容認に伴い「副業テーマ選択」や「副業収益の確定申告」まで労働組合が企画しているというから驚きです。
さらに言えば「ポータブルスキル」のセミナーの要望をいただいたことがあります。上場企業の労働組合でしたが、自社が潰れても希望する企業に行ける(雇用される力)を学ばせたいと言っておられました。
組合役員向けの研修の傾向
組合役員向けの研修では、以下の様なテーマが注目されています。
- リーダーシップ育成
組合を牽引するリーダーとしての資質を育成する - 交渉力強化
企業との交渉において、より効果的な交渉ができるようにする - 多様な価値観への対応
グローバル化やダイバーシティに対応できる能力を養う - 情報収集・分析能力の向上
組合活動に必要な情報を収集・分析し、戦略的な意思決定ができるようにする - 組合員のニーズをデータ化し分析する能力
- 最後まで読んでもらえる情宣紙をつくるための文章、ライティング力
ただし、組合役員はやりたくてやっているわけではありません。
一定の年次が来たら“やらされます”(当人たちが言っている通りに書きます)。
電機連合傘下の単組の若手組合役員から直接伺いましたが、
「会社の仕事は好きだけど、組合活動が嫌だから会社を辞めることを考えている」
とまで言っていました。このままでは労働組合の存在意義が危ぶまれます。
組合役員を退任するときには「やってよかった」「成長できた」という感想をもらいたいものです。
実際、組合役員で活躍したかたは早期に管理職になっています。是非、前向きに取り組んでいただければと思います。
余談ですが僕はこの業界に来る前は製造業に勤務していました。その会社もユニオンショップで3年目くらいの若手から職場委員を選ぶのが通例でした。順番的に来期は僕かという段階で「職場委員やりたない」と飲み会でよく言っていました。(といっても頼まれたらやるつもりでした)
しかし結果、選ばれたのは後輩でした。僕は自らやりたくないといっていたのにかかわらずショックを受けました。それがこの業界の転職に繋がるわけです…
何が言いたいかと言えば、「順番がきたら喜んで受けましょう」ということです。
当時、何とも言えない複雑な気持ちになったことを鮮明に覚えているからです…
組合離れが叫ばれる中で、いかに組合として魅力的な企画をするか。
組合離れが進む中、組合の魅力を高めるためには、以下の様な工夫が考えられます。
- 参加型の研修: 講義形式だけでなく、グループワークやロールプレイングを取り入れることで、参加者の主体的な学びを促す。同じ職場内で固まらないようにする。
- 最新のテーマを取り上げる:生成 AI、心理的安全性、リスキリングなど時代の変化に対応したテーマを取り上げることで、組合員の関心を引く。
- 若手社員向けの研修: 若手社員の視点を取り入れ、彼らのニーズに応える研修を実施する。
組合役員以外に企画を任せて、若手役員にファシリテーションさせる。
人事部の企画との差別化
人事部が実施する研修との差別化を図るためには、以下の様な点に注意する必要があります。
- 組合員視点: 組合員が本当に求めているものを提供する。
- 労働組合としての独自性: 組合ならではの視点や価値観を盛り込む。
- 参加型の企画: 組合員が主体的に参加できるような企画にする。
- 長期的な視点: 組合の持続的な発展につながるような研修を企画する。
受講した組合員に「組合があってよかった」と思ってもらうために。
研修を通して、組合員に「組合があってよかった」と思ってもらうためには、以下の様な効果が期待できます。
- 知識・スキルの向上: 研修を通じて、知識やスキルが向上し、仕事に活かせるようになる。
- 仲間意識の醸成: 他の組合員との交流を通じて、連帯感を深める。
- 自己成長: 研修を通して、自己成長を実感できる。
- 組合への貢献意欲の向上: 組合活動への貢献意欲が高まる。
まとめ
労働組合の教育研修は、組合の活性化に不可欠です。時代の変化に対応し、組合員が主体的に参加できるような魅力的な研修を企画することで、より強い労働組合を築くことができます。
「プロ講師ドットコムの講演・研修は、長年の経験と実績に基づいて開発されており、多くの労働組合から高い評価を得ています。特に、「楽しく学ぶ」「受講後、少しでも行動を変えてみる」という点に力を入れており、執行部様の教育事業の支援に注力あいています。