「人材」か「人財」か
「人材」は労働者をモノ扱いしているのか?
近年、企業の人材育成部門の方とお会いすると、部署名が「人材」から「人財」に変わったという話を耳にするようになりました。「材」という字面が「材料」をイメージさせるのでしょうか、大手企業も「人財」に名称替えする傾向のようです。
東京新聞の2021年9月17日付「若者の声」に東京都の高校生から「人材」という言葉に関して「働く人をモノ扱いするような冷たさを感じた」という投稿があり賛同する意見が多いそうです。
「人材」の表現に違和感 高校生の投稿きっかけに考える 人は「材」か「財」か
来月、国語辞典に「人財」初収録来月、8年ぶりに全面改訂される三省堂国語辞典に「人財」という言葉が初めて収録される。「人材」の「材」を財産の「財」に置き換えた造語で、最近は求人サイトや企業トップのメッセージなどでも見かける。いまなぜ「人財」なのか。言葉の意味を掘り下げつつ、その背景を探った。(須藤恵里)
東京新聞WEB 2021年11月14日より
取材の発端は、本紙「若者の声」欄への投稿だった。東京都江戸川区の高校2年生、米川純平さん(16)。進路を考える中で「人材」という言葉に触れることが増え、「働く人をモノ扱いするような冷たさを感じた」という。投書が掲載されると、賛同する意見が複数届いた。
「ビジネスタレント」は浸透するのか?
本記事にも「逸材」「適材」と同様に「『材』は才能であり悪い意味はないと書いていましたが、私も「人材」は今風にいう「タレント」だと考えていました。芸能人という意味でなく「ビジネスタレント」です。いまや普通に企業内で『ビジネスタレント育成』というフレーズを耳にします。そうなると「人財」とは意味が違ってきます。
一般的に使っている「HR」だって『Human Resource』ですから資源ですし…
結局、字面よりも従業員をどのように思っているかでしょう。私は人材こそ企業の未来を決めると考えていますので、「人材」でも「人財」でもどちらでもいいですが…
人的資本経営が中期経営計画のベースとなる
いま、まさに「人的資本経営」時代です。経済産業省の定義は「人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」となっています。このまま人材不足が加速する見込みの中で、社員を資本と考えない経営は早晩危機にあたるでしょう。
人的資本経営の実現には人材育成への投資が不可欠です。教育費はコストではなく投資なのです。これまで教育研修を実施してこなかった中小企業も本腰を入れなくてはいけません。
はじめて人材育成をおこなう企業は、まずは60分位の講演会を全社対象で企画してはいかがでしょう。当方ではそのような事例が多く持っておりますので、よろしければお問い合わせ下さい。