そうは言ってもやっぱりExcel #1
このご時世でもExcelを学ぶ理由
みなさん、こんにちは。IT活用推進アドバイザーの家門理恵です。
「Excelはオワコン。」
最近こんなフレーズをネットで見かけるようになりました。Microsoft社(マイクロソフト社)の表計算ソフト「Excel」(エクセル)ではなく、「Googleスプレッドシート」を社内で使用するよう推奨されている企業も出てきましたから、ひょっとすると将来的には「Excelはオワコン」が現実になる日が来るかもしれません。しかしながら、Excelを学ぶ価値は依然として非常に高いと私は考えています。
背景1:圧倒的なマーケットシェア
アイティメディア株式会社による調査『Microsoft Excelの利用状況(2022年)』によれば、実に98.6%の方々が「Excelを勤め先で利用している」と回答されたそうです。しかもそのうちのほぼ9割の方々が満足していると回答しているというのには、正直とても驚きました。
つまり、ほとんどの会社では、社員が与えられているパソコンを開くと、Excelはすでにインストールされて「常にそこにある」わけです。私の以前の職場(製薬会社)には、何でもかんでもExcelを使う愛すべき同僚たちがたくさんいました。ある日、そのうちの1人が、オンライン会議で画面共有をしながら、おもむろにExcelを立ち上げて議事録を書こうとしたので、思わず私が「いやいやいや。参照や計算は不要だし、レイアウト調整も面倒でしょ?ここはOneNoteかWordか、せめてPowerPointにしない?」と言ったら、
「いいの、いいの。信頼と実績のExcelよ。」
と返してきて、二人で大笑いしました。まあ、所詮はツールですから、本人が一番使いやすいもので、ささっとやるべきことを終えられれば、それでOKですよね!
背景2:組織の中に蓄積された膨大なExcelファイルの数
議事録はちょっと極端な例だとしても、みなさんの会社でもあちこちの部署で、山のように蓄積された様々なExcelファイルが存在していませんか?それらをGoogleスプレッドシートや互換ソフトで開こうとすると・・・往々にしてレイアウトが崩れます。関数や機能でうまく再現できていない部分が出てくるかもしれません。そんな手間とリスクをかけてまで、みなさんだったらわざわざ「変換」や「移行」をされますか?恐らくしませんよね。
ですから、上意下達で「脱Excel!スプシ(Googleスプレッドシート)を使うべし」の号令がかかっているのは、比較的新しいベンチャー企業が多い、という印象があります。そうした企業でも、客先の企業のほとんどがExcelを使用しているため、結局のところ「Excelとスプシの併用」を迫られているのが現状ではないでしょうか?あくまで限られた経験に基づく私見ではありますが。
結論:Excelスキルが高いと人材としての価値も高まる
Excelができると、Googleスプレッドシートでもほとんど同じことができます。共通の用語や関数がたくさんあるからです。Googleスプレッドシートでこれをやりたい、ということがあった場合、Excelの用語でネット検索すれば、やり方もすぐに見つかります。ですから、仮に「脱!Excel」の号令がかかっている会社に転職したり、Excelがオワコンの日が到来しても(まだ当面はないと思いますが)、Excelで身に着けたスキルは十分に転用が可能です。
従って、Excelのスキルアップのための学習が無駄になることは決してありません。むしろ「Excelできます!お任せください!」と自信を持って言えれば、まだまだ人材としての価値や魅力を高められるのです。
試しに転職サイトや求人サイトでExcelスキルが必要な仕事を検索してみてください。ヒットした求人案件の多さと平均時給の高さが「Excelはまだまだオワコンではなく学ぶ価値がある」ということの証明ではないでしょうか?
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次回は、「学びやすいExcel」というテーマでお話ししたいと思います。
See you next!