2023年労働災害の傾向と安全対策の強化
目次
「2025年安全大会」の講師選定の参考に、近年の事故傾向を参照する
2023年の労働災害は、死亡者数が減少する一方で、休業4日以上の死傷者数は増加するという特徴的な状況となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に薄れ、経済活動が活発化した一方で、安全対策が十分に行われていなかったことを示唆してのではないでしょうか。
2023年労働災害の特徴
- 死亡者数減少、死傷者数増加:
死亡者数は減少傾向にあるものの、休業4日以上の死傷者数は増加。
ここから、軽微な災害が増加していることを想定できます。 - 建設業の災害多発:
依然として建設業は、他の産業と比較して災害発生率が高い状況が続いています。 - 高年齢者の災害増加:
高齢化が進み、高齢労働者の災害が増加傾向にあります。 - 精神的な健康問題による休業が増加:
長時間労働や職場の人間関係の悩みなど、精神的な健康問題による休職が増加しています。
建設業における労働災害の原因と対策
建設業における労働災害の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 墜落・転落:
高所での作業や足場の不備などが原因 - はさまれ・巻き込み:
機械への巻き込みや、材料の落下など - 物体衝突:
飛来・落下物による衝突 - 電気ショック:
電気工事や漏電など
これらの災害を防ぐためには、以下の対策が必要と考えます。
- 安全教育の徹底:
労働者への安全教育を定期的に実施し、安全意識の向上を図る。 - 安全点検の強化:
作業前・作業中の安全点検を徹底し、危険箇所を早期に発見し、対策を講じる。 - 安全設備の整備:
足場、保護具、安全ネットなどの安全設備を適切に設置し、使用厳守させる。 - 多様な労働者の安全確保:
高齢者や外国人労働者など、多様な労働者の特性に応じた安全対策を取り入れる。 - 精神的な健康への配慮:
長時間労働の防止、相談窓口の設置など、精神的な健康への配慮を強化する。
まとめ
2023年の労働災害は、死亡者数は減少したものの、依然として多くの労働者が災害に遭っています。
特に建設業では、高所作業や機械操作など、危険が伴う作業が多く、安全対策の徹底が求められます。
企業は、労働安全衛生法を遵守し、安全対策を強化することで、労働災害を防止し、労働者の健康を守ることが重要です。しかし、いくら企業が安全対策を強化しても、労働者一人ひとりが安全意識が低ければ改善できません。よって労働者の教育も同時進行することが前提となります。
今後の展望
労働災害の防止に向けて、政府、企業、労働者それぞれが役割を果たしていく必要があります。
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