ターゲットとは自分が貢献できる顧客像

このような講師希望者、現役講師にお勧めの記事です。

仕事が少ないのに顧客を絞ったら可能性を狭めるのでは…
講師としての活動の軸を持ちたい…
なんでも受けているうちに何の専門家かわからないようになった…
どうやって顧客を訴求すればいいのかわからない…
常に他の講師と天秤をかけれるし費用交渉される…

プロ講師で成功する「5」サイクル の最初の課題

ターゲットを絞ることは「プロ講師で成功する『5』サイクル」を設計していくうえで最初の課題になります。

「2W1H」からはじめるコンセプト設計

講師としての活躍するために最初に決めるのは、自分が貢献できる市場を固めることです。有名人が講演会をするのであれば、広く設定できますが、知名度のない講師は、自分の専門性が卓越性を発揮できるニッチな市場で活躍を目指しましょう。

設定する上でのフレームワークは「2W1H」です。

WHO誰に自分が貢献できる「受講者・主催者」
WHAT何を上記に講師として「提供できる価値」
HOWどのように上記を「伝えるスタイル(講義、ワーク、ロープレ等)」

ターゲットを定めることは「WHO」で、「WHAT」と「HOW」は次項の『プランニング』へとつながっていきます。

なぜターゲットを絞るべきなのか

ターゲティングの目的

小さな領域においてナンバー1になる

ターゲティングによって期待する成果

・絞った市場において専門家と認知される
・「●●といえば、■■さんだよ」という存在になる
・講演研修以外のオファー(出版、取材など)が期待できる

異業種からイメージしよう

2019年に発売し大ヒットとなったカネカ食品の『パン好き牛乳』をご存知でしょうか?

これもターゲットを絞って成功した事例です。カネカと聞くと乳製品よりも化学メーカーの印象の強いメーカーではないでしょうか?そんななか他社より若干高いにも関わらずヒットしたのはマーケティング戦略で「パン好き」に特化したからだと考えます。パン好きの人が牛乳をかうときに、そのネーミングから「自分のための牛乳」と思うのです。
つまり、それ以外の人が見向きもしなくてもいいんです。

講師も同じです。どんなテーマでも引き受ける講師よりも、専門特化したほうが競争も減り講演研修のフィーも高く設定できます。

ペルソナを設定しよう

ペルソナ(persona)とは、ユーザー中心設計やマーケティングにおいて、サイト、ブランド、製品を使用する典型的なユーザーを表すために作成された架空のキャラクターのことである。

Wikipedia

受講者ペルソナ

あなたの経験に基づくスキル、ノウハウを欲している人物を想定してください。できるだけ具体的に性別、年齢、夢、目標、価値観、悩み等々…そのキャラクターを描いて、その人に貢献する講演・研修プログラムを開発するのが講師のペルソナマーケティングのファーストステップです。

主催者ペルソナ

ただし、このサイトは自主セミナーだけでなく、主催者から招かれるプロ講師を目指すことを目的にしておりますのでB2Bに転換しないといけません。
そこで先ほど想定した聴講者ペルソナを構成している組織を考えましょう。

【ケースステディ】地方都市の中小企業後継者

受講者ペルソナを「地方都市の中小企業経営者の長男38歳。東京でメーカーで10年働いたのち事業承継のためUターン。5年働き専務となるが目立った実績がないため幹部、古株社員から認められていない。承継を控えて自身で新規事業を成功させて、リーダーシップを発揮していきたいと考えている」とします。

そのペルソナを構成している組織はと考えると…
「商工会議所、商工会の青年部」や「青年会議所」が想定されます。

それでは、それらの組織の成果は何か…「地域の中小企業の事業承継がスムーズに行われる。第二創業、経営革新が進む。青年経営者が次世代リーダーとして地域活性化の一躍を担う」等々、考えられます。

聴講者ペルソナと主催者ペルソナが出来れば、その両者にベネフィットがある講演・研修コンテンツを構築します。

そこまでペルソナを絞り構築した講演・研修企画を見れば「まるで自分たちのために作ったような企画だな…」と感じてもらえます。
また主催者のベネフィットも理解して組み込んでおりますので企画が通りやすいでしょう。

どのような主催者があるか

受講者はイメージしやすいと思いますが、主催者は想定しにくいのではないでしょうか?
ここでは主催者のカテゴリーを紹介します。

民間企業

企業では「社員研修」から「集客イベント」、「協力会社との会合」や「労働組合」などで講演、研修が行われています。

各種団体

代表的なところで言えば「商工会議所」、その他、「法人会・納税協会」や各種業界団体などで、それぞれの組織の目的に沿った企画が行われています。

官公庁関係

官公庁では多様な部門がそれぞれの課題に対しての啓蒙を目的とした講演、講習会が企画されています。

主催市場の詳細に関して

主催者は多様な選択肢があります。ただし「各組織の特徴」「ニーズ」「マーケティング方法」「KSF」等は常に変化しますので、ここで公開するには無理があります。恐れ入りますが、この点に関しては、通信講座の個別コンサルティングにてクライアント様の専門領域を伺いながら提案させていただきます。

顧客にしない基準も決めておく

顧客を絞り込むことと同時に、逆にお付き合いしない主催者を決めることも大切です。例えば下記のように非顧客にする基準を決めておくと迷いがありません。

非顧客の設定サンプル

  • 求めるニーズと自身の強み提供価値に大きな乖離がある
  • これまで提案、見積依頼は数多くあったが実現した試しがない
  • かつて依頼があったが実施まで無理難題で苦労した
  • 時間泥棒、生産性が著しく低下させられる
  • ストレスの元凶になる
  • そもそも価値観が合わない。ミッションとのズレ

実は企業や団体によっては、すでに講師が決まっているのに便宜上、数人の講師の資料や見積もりをとる担当者がいます。このようなケースに付き合うことで本来貢献すべき理想の顧客への時間やメンタルが削られるのは避けるべきです。

可能性が減るように思うかもしれませんが、貢献すべき顧客に集中するためにも「体系的廃棄」のルールは必要です。

講師のための『ターゲティング』まとめ

顧客を絞ることは、自分の能力を最大限に発揮できるフィールドで戦うことの意思決定です。

「2W1H」の基盤がWHO(誰に)
顧客は選ぶから選ばれる
貢献できる人物像を描き、その人物を構成する組織を探す
主催者の種類とそれぞれの求める価値の仮説を立てる
顧客にしない基準を決めておく

あなたの提供価値を欲している顧客に集中することで顧客満足も上がり、あなたのブランドも高まるでしょう。「●●といえば◇■さんでしょ」と言われるようになれば、もう仕事に困ることはありません。