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「会議」において大事なことは? ~濃密会議のススメ第2回~

一般的に、「日本企業は無駄な会議が多い」と言われています。『濃密会議のススメ』第2回は、会議を「無駄な時間」にしないための事前準備についてお話します。

「会議」における問題の代表例

第1回で挙げた、会議における代表的な問題を再確認してみましょう。

  1. 会議中、寝てしまう人がいる
  2. 会議中、内容と関係ない作業(いわゆる内職)をしている人がいる
  3. 会議中、一言も話さない人がいる
  4. 会議中、限られた人ばかりが意見を述べている
  5. 会議中、話が脱線してしまって時間内に結論が出ない

今回は3番・4番の問題に関わる事前準備のお話です。※最初の2つの問題(集中できるかどうか)については前回ご紹介しているので、よろしければご覧ください。

「会議」の意味をなすための事前準備

初心に返って広辞苑を開くと、会議とは「会合して評議すること。何かを決めるため集まって話し合うこと。その会合」と記載されています。そんなの当たり前!と思われるかもしれませんが、問題として挙げた3番・4番では集まっているのに評議・話し合いが適切に行われていない、5番では決めるべきことが決まらないという点において、そもそも「会議」の意味をなしていないことがわかります。ではどうすれば良いでしょうか。限られた時間の中で集まった人同士が適切に話し合い、何かを決めるためには、相応の事前準備が必要です。

事前準備がなされていないままに始まる会議のことを私は、「いきあたりばったり会議」と呼んでいます。とりあえず集まった場で初めて聞いた内容に対して意見を述べるのはアドリブのようなもの。アドリブでは、芯を食った意見がなかなか出にくいことがあります。そうすると何が起きるでしょうか。

自信がない人:とりあえず黙っておく。それでも意見を求められたらとりあえずその場で思いついたそれっぽい意見を述べておく

自信がある人:自分の意見をどんどん発言する。自信があるので自分の意見を貫き通そうとする場合も

これにより、自信がない人がその場で思いついたそれっぽい意見や、自信がある特定の人の意見のみが採用されて、深い検討がなされないままに終了時間が到来する場合があります。深い検討がなされていないので、後から新たな問題が発覚して再度会議をやり直すハメになる恐れも。また、そもそもアドリブではあまり積極的な的確な意見が出ず、時間内に結論が導き出せないと、それもまた会議をやり直すハメになります。

会議の出席者が、その議題に関して明確な役割を持つ人に絞られているのならば、それぞれの役割から全員が意見を述べて初めて、多角的に深い検討がなされたと言えます。そのためには、意見は「持ってきてもらう」ことが大切です。アドリブを求めるのではなく、資料・少なくともアジェンダは事前に配布して目を通してきてもらうことで、その内容について全員が意見を持ってきて自信を持って発言できるよう、互いに準備しましょう。

忙しいからといって準備不十分、「いきあたりばったり」で会議をしてしまうと、せっかく時間をとって集まったのにやり直しでまた準備に追われる・・・というような悪循環を招く場合があるため注意してください。どうしても準備ができていない場合は会議を延期した方が自分自身を含めたみんなの時間を無駄にせずに済みます。

会議での「資料の読み合わせ」は無駄!

資料の事前送付には、日本企業でありがちな会議の場における「資料の読み合わせ」の時間をなくすという意味合いもあります。

音読黙読では、黙読の方が圧倒的に早くなります。資料に書いてあることをそのまま読み上げている間に、出席者は最後まで読み切ってしまうでしょう。そして音読が終わるのを待つ時間は集中力の切れ目となり、「前のめり度合い」が薄れてしまう瞬間ができてしまいます。資料の事前送付によって、読めば分かることは事前に読んで考えてきてもらうことを前提とし、会議の場では、確実に行動を変える必要がある重要箇所文脈が伝わったか不安な箇所のみ口頭で補足するのみに留め、さっさと議論に入った方が有意義に時間を使えます。

そもそも、「資料を読み聞かせるだけ」ならば、録画でも良いわけです。録画なら、自分の好きなタイミングで見ることができてとても便利です。会議で人が集まる理由は、何度も述べているように話し合う・議論するためです。会議において、いかにして議論の時間を多くとるかを考えて工夫しましょう。

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今回は会議における事前準備の重要性についてご説明しました。次回は、仕事を前に進めるための「ゴール設定」についてお話しします。お楽しみに!

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