お問い合わせはこちらをClick

「マルチタスク」の落とし穴

「よし!今から2時間、集中して商談資料を完成させるぞ!」・・・と作業を始めたものの、メールやチャットで問い合わせが入り、一旦中断・・・対応している途中でふと、明日提出の書類があったことを思い出し、メールを探してエクセルファイルを開いて・・・気がつくと、たくさんのファイルを開いていったりきたりしていること、ありませんか?

そういう時は、無意識にマルチタスク状態になっている可能性があるため注意が必要です。

本当に聖徳太子は一度に10人の話を聞くことができたか

基本的に、人の脳は「マルチタスク=複数のタスクを並行して行う」ことが得意ではないとされています。

かの聖徳太子は、一度に10人の話を聞いて理解し、全てに的確な答えを返したという逸話が有名ですが、果たして本当にそんなことができるでしょうか。「それくらい頭が良いという意味での後付け」「様々な方言を聞き取ることができたいという意味」など諸説あり真偽は不明ですが、もし真実だったとしても、ビジネスマンとしては真似しないことをオススメします。

話を現代に戻しましょう。

オンライン会議中に別の作業(いわゆる内職)を行い、急に名指しされて「すみません、もう一度よろいいでしょうか」と言ってしまった経験はありませんか?話を聞きながら別の作業をして効率良くマルチタスクをこなしているつもりでも、実際にはついつい作業の方に集中してしまい、大事な話を聞き漏らしてしまう恐れがあります。

切り替えロスをなくそう

マルチタスクは、同時に複数のことを行っているのではなく、細かい切り替えを挟みながらタスクとタスクの間を行ったり来たりしている状態です。効率が良いようにも見えるかもしれませんが、実際にはシングルタスクに比べて時間生産性は劣り、結局どれも中途半端なままに時間が過ぎてしまいかねません。なぜなら、電源にもスイッチングロス(オン/オフを切り替える際の電力の損失)があるように、人の脳にも、気付かないうちに切り替えロスが生じてしまうからです。

また、前出の画像のようにたくさんのファイルを一度に開いていると、ファイルとファイルをいったりきたりすることでもロスが生じ、ミスも起きやすくなってしまいます。

シングルタスクの注意点と対策

以上のことから私の研修では、仕事のスピードと質を上げるため、シングルタスクを基本とすることをオススメしています。ただし、シングルタスクで長時間同じ作業が続くとそれもまた、集中力低下の原因になるため注意が必要です。

パズル式時間管理術ではひとつのタスクは最大2時間までで設定することとしています。2時間を超える場合は具体的な工程に分けて見える化します。Ex.「資料作成3時間」→「振返りパート2時間」「活動計画パート1時間」

タスクを細分化して時間内の完了を目指すことで、タスクごとにスタートダッシュが切りやすく効率が上がり、また進捗管理もしやすいといった効果もあります。

いつもたくさんのファイルを開きっぱなしという方は、無意識のマルチタスクで切り替えロスを発生させていないか、一度意識を向けてみてください。

タイトルとURLをコピーしました