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初めてのプレスリリース 知っておきたい基本

プレスリリースイメージ

元新聞記者がポイントを解説

広報担当になり、プレスリリースの作成に戸惑うこともあるかもしれません。実際のところ、プレスリリースの書き方や体裁に正解はなく、内容も経営情報や商品サービス情報、イベント情報など多種多様です。ただし、押さえておきたい基本があります。新聞記者として年間1万通以上のプレスリリースを受け取り、目を通してきた経験から、まずは知っておきたいポイントをお伝えしたいと思います。

プレスリリースとは 押さえたい基本の「き」

プレスリリースは、A4サイズ縦型2枚、文字は横書きが主流です。1つのプレスリリースは1つのテーマで書く「ワンリリース、ワンテーマ」が原則。誤解なく伝えるには、1つの文章が長くならないことが鉄則です。1つの文は40~60文字が目安。1つの文章に1つの意味「一文一義」を心がけます。

専門用語が並ぶプレスリリースを見かけることがありますが、使わないほうが無難です。プレスリリースを読む人は、専門家でも業界の人でもありません。新聞社が送り先なら、読むのは記事を書く記者です。そして記事には誰もがわかりやすい言葉を使うのが基本。難解な用語は使いません。できる限り一般的な言葉に置き換えましょう。

社内ミーティングイメージ

プレスリリースになる情報とは

プレスリリースのテーマは多種多様です。この記事ではイメージしやすいようプレスリリースになる情報を以下の5つに分類してみました。

1、経営に関する情報

理念や戦略、ビジョン。組織改革や役員人事、雇用政策。決算報告など財務情報など。

2、事業に関する情報

新事業への進出、業務提携や協力、工場の新設、生産能力の拡大、新技術の投入など。

3、製品、サービスに関する情報

新しい製品やサービスの開発、開始。新しいパッケージやブランドの採用など。

4、イベント開催などの情報

開催告知、事後レポート。創業記念行事、社屋の移転のお知らせなど。

5、不祥事や事故

企業内に関する予期せぬ事件、事故の事実関係や経緯の報告、情報開示。謝罪など。

もちろんこの5つに限らず、独自の取り組みや制度、社員エピソードなど、企業内では「当たり前」と思われていることも、世間にとってはニュースになることもあります。プレスリリースとなる情報を把握するためには、広報担当者として、社内の各部署との連携、情報共有が大切です。

攻めのプレスリリース、守りのプレスリリース

プレスリリースを出すきっかけや目的もケースバイケースです。主に次の3つが考えられます。

1、売り込みたい情報を伝えるプレスリリース

2、事実や経緯などを淡々と伝えるプレスリリース

3、とり急ぎ公開すべき情報を伝えるプレスリリース

1は、メディアに取り上げてもらって世の中の人に広く知らせることを目的とした積極的なプレスリリースです。取材依頼が入ることを狙った「攻めのプレスリリース」である必要があります。

一方で2は、企業で起こった不祥事や事故についての事実関係など、どちらかというと積極的に伝えたくない「守りのプレスリリース」と言えるでしょう。3は人事、社名やロゴ変更など、メディアに露出するよりは、企業として情報を公開することに意義があるものです。

取材依頼の入る1の攻めのプレスリリースを書く際の「攻め」具合は、自社の情報をどう料理するか、作成する広報担当者の腕の見せどころになるでしょう。

プレスリリースで取材依頼を狙うなら、“敵”を知ること

攻めのプレスリリースを作る際に必要な視点があります。それは「自社が売り込みたい情報を書く」のではなく、「記者が世間に伝えるための報道素材を提供する」こと。どんな素材が記者にとって価値があるのか判断し、自社の情報を報道素材に仕立てるセンスが必要になります。

それにはまず“敵”を知ること。記事掲載してほしい新聞があれば、紙面にはどんな記事コーナーがあり、どの面に掲載されているのかなどを把握しておくことが大切です。遠回りのようですが、載せてほしい新聞の記事を読むことが、センスを磨くのに最も効率的だと思います。

記者時代、プレスリリースを通して、実際に何百人もの企業の広報担当の方と接してきました。振り返ってみると、取材後にまた一緒に仕事をしたいと思った方、または再び依頼した方には、ある共通点がありました。みなさん、新聞をよく読んでいることです。お話をすると、読んでいるかどうかはたいていわかります。記者も人間です。自分の会社が発行する新聞を読んでくれていると感じたら純粋にうれしいですし、何かあればまた依頼をしたいといった気持ちにもなります。

広報PRは、パブリックリレーションズ、関係構築です。その意味でも、プレスリリースを届ける相手、取材する側がどんなテーマを好み、記事にしているのかを事前に知っておくのは大切なことです。地道な作業ではありますが、日々新聞記事を読むことは、報道素材に仕立てるセンス磨きだけではなく、今後の広報活動において良好な関係作りの土台になるでしょう。

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